上石見

上石見（かみいわみ）

上石見は、鳥取県日野郡日南町にある大字で、郵便番号は689-5663です。日南町の東南部に位置し、大倉山の南麓に広がる盆地内に存在しています。上石見は、周囲を山々に囲まれ、地理的には日野川の支流である石見川の流域にあたるため、自然に恵まれた地域です。南側には中国山地の稜線があり、岡山県との県境を形成しています。また、谷田峠や谷田トンネルを通じて岡山県の神郷町（現・新見市）へアクセス可能な交通路が整備されています。

地理と交通

上石見は、石見川の西流する様子が、周囲の自然環境に大きな影響を与えています。この川に沿って、県道上石見黒坂停車場線が北東から南西の方向へ走っており、地域住民の交通手段として利用されています。上石見駅もJR西日本の伯備線沿いにあり、日南町大字中石見の寺ノ前という場所に位置しています。これにより、外部との結びつきが強まり、地域の発展に寄与しています。

歴史

上石見という地名は、伝説によれば孝霊天皇が巡幸の際に「上の岩を見よ」と命じたことに由来するとされています。この地域は1889年（明治22年）に石見村として設立され、その後1959年（昭和34年）から現在の大字名が使われています。石見村役場が設置されたのもこの時期で、商業の発展が見られました。実際、住民の約70%は商人であり、残りは農業に従事しています。このように、地域の産業はバランスよく発展してきたことがわかります。

人物・ゆかりのある地域

上石見には歴史的な背景を持つ多くの人物が存在します。代表的な名士として浅田癸男が挙げられます。彼は石見村商工会長を務めながら、鮮魚店を経営しており、地元経済に大きく貢献しています。また、政治家の前原誠司も上石見に縁のある人物です。彼は自身のルーツに上石見を含み、地元に対する愛着を持って活動しています。

住民と人口動態

1891年（明治24年）の戸数は73、人口は335でしたが、時代とともに変動しています。1965年（昭和40年）には547人、1975年（昭和50年）には417人と少しずつ減少傾向が見られます。この背景には、商業の発展や交通インフラの整備が影響していると考えられています。また、移住や転出なども影響を及ぼしているでしょう。

地域の施設

上石見には、地域住民にとって重要な施設もあります。上石見郵便局は日南町内に位置していますが、正確には中石見という地域に該当します。これは、地域内での情報の流通やビジネスの推進に寄与していると言えるでしょう。また、石見地域振興センターもあり、地域活性化に向けた取り組みが行われています。

このように、上石見は歴史的な背景や商業の発展、地理的な魅力を持った地域として、今後のさらなる発展が期待されています。地域の文化や産業の継承を大切にしつつ、新たな可能性を模索していくことが求められるでしょう。

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