上級曹長 (階級)

上級曹長とは

上級曹長（じょうきゅうそうちょう、英語：Command Sergeant Major; CSM）は、主に近代陸軍において用いられる上級下士官の階級を指す言葉で、日本語訳として用いられます。また、2000年代には自衛隊においても准尉に代わる新たな階級として設置が検討されていました。

この階級は、外国軍における最先任上級曹長（陸軍および空軍）や最先任上等兵曹（海軍）に相当するものとされています。自衛隊では、小部隊における行動の重要性が増す中で、曹クラスの規律や士気向上を目的として、俸給表の改訂とともに上級曹長の設置が検討されました。

諸外国との比較

諸外国では、最上位の下士官に対して、地位や称号として上級曹長の名称が与えられています。しかし、自衛隊においては、階級としての運用が想定されており、上級曹長が導入された際には、熟練した曹からの幹部昇任を原則として廃止する方向で検討が進められていました。しかし、2017年3月現在、この案は白紙に戻されており、導入は見送られています。

ただし、もし上級曹長階級が施行された場合、准尉の階級にある者は上級曹長に変更される予定でした。また、現段階では上級曹長という階級は存在しませんが、自衛隊の曹長という階級は、実質的に諸外国軍の上級曹長や海軍の上級上等兵曹に相当すると考えられています。これは、自衛隊には元々曹長という階級が設けられておらず、1曹が旧陸軍の曹長や旧海軍の上等兵曹に相当していたため、自衛隊の曹長は、旧陸軍の曹長および旧海軍の上等兵曹のひとつ上の階級にあたるからです。

米軍における上級曹長

米軍の階級においては、以下のものが最先任上級曹長（海軍は最先任上等兵曹）と訳されます。

空軍: Chief Master Sergeant (CMSgt)
陸軍: Sergeant Major (CSM)
海兵隊: Master Gunnery Sergeant (MGySgt) および Sergeant Major (SgtMaj)
海軍: Master Chief Petty Officer (MCPO)

また、米陸軍における "Command Sergeant Major" は「部隊等最先任上級曹長」と訳されます。陸上自衛隊の部隊に配置される上級曹長の略称はいずれもCSMです。これは、最先任上級曹長がCommand Sergeant Major、中隊先任上級曹長がCompany Sergeant Majorと訳されることに由来します。

まとめ

上級曹長は、自衛隊における階級としては実現しませんでしたが、その概念は、自衛隊における曹の役割や責任を考える上で重要な要素です。自衛隊の曹長は、実質的に諸外国の上級曹長に相当する役割を担っており、部隊の規律維持や士気向上に貢献しています。

関連項目

3尉候補者課程
付准尉
自衛隊#階級
曹長

外部リンク

曹友連合会
我が国の防衛と予算、平成23年度概算要求の概要

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