3尉候補者課程

3尉候補者課程とは

3尉候補者課程（さんいこうほしゃかてい）は、自衛隊において、准尉または曹長の階級にある隊員が、幹部自衛官となるために履修する教育課程です。陸上自衛隊では「Second Lieutenant Course（SLC）」、海上[[自衛隊]]では「幹部予定者課程」、航空自衛隊では「3尉候補者課程（S）」と呼ばれます。

特に海上[[自衛隊]]では、非公式に「Cグループ幹部」と呼ばれることがあります。これは、防衛大学校や一般大学出身の幹部を「Aグループ」、部内選抜試験合格者を「Bグループ」と区別したものです。

課程の概要

この課程は、部隊での実務経験が豊富な准尉や曹長の中から、試験によって選抜された隊員を対象としています。陸上自衛隊では各職種学校（一部は幹部候補生学校）で、海上[[自衛隊]]と航空自衛隊ではそれぞれの幹部候補生学校で、約12週間の教育が行われます。

教育内容は、小隊規模の部隊運用に必要な知識と技能を習得することに重点が置かれています。課程を修了した者は、3尉に任官し、主に小隊長などの指揮官として部隊に勤務します。

本課程は、部内幹部候補生選抜試験に合格できなかった隊員のための救済措置ではありません。中には、3曹に任命された時から3尉候補者となることを目標とし、2曹、1曹、曹長と経験を積み重ねて受験する者もいます。部隊としては、優秀な曹を早期に幹部として任官させ、豊富な実務経験を活かして部隊の即戦力として活躍させることを期待しています。

なお、部内幹部候補生と3尉候補者の併願受験は認められていません。また、受験回数は3回までと制限されています。試験は、1次試験（筆記）と2次試験（口述）で構成されています。

選考要件と人事管理

3尉候補者課程に入校するためには、36歳以上50歳未満の准尉または曹長であることが求められます。この課程の出身者は、長年の実務経験を積んだ下士官からの叩き上げであるため、期待される階級は基本的に2尉までとなっています。しかし、陸上自衛隊では、1尉に昇任し、本部・司令部・総監部などの幕僚として勤務する隊員も少数ながら存在します。

「陸上自衛隊の教育訓練に関する訓令」では、幹部上級課程（AOC）までが陸上自衛隊の幹部にとって必須の課程とされています。しかし、3尉候補者課程の出身者についてはこの限りではありません。2尉に昇任しても全員がAOCに入校するわけではありませんが、修了者は中隊長などの指揮官に任命されることもあります。

参考資料

陸上自衛隊の教育訓練に関する訓令
海上[[自衛隊]]の教育訓練に関する訓令
航空自衛隊の教育訓練に関する訓令（防衛省・自衛隊情報検索サービス）

関連項目

隊員の削減
曹士の能力活用
陸軍少尉候補者
* たたき上げ

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