上里一郎

上里 一郎（あがり いちろう）

上里一郎は、日本の臨床心理学者であり、臨床心理士としても知られる人物です。1933年11月19日に広島県安芸高田市で生まれ、2011年7月29日に山口県下関市の病院で亡くなるまで、77年の生涯を無駄にすることなく、多くの業績を残しました。彼は広島大学の名誉教授であり、その専門は臨床心理学と健康心理学にあります。教育学博士号を持ち、元日本学術会議の会員でもありました。

経歴の詳細

彼の学歴は、修道高等学校から始まり、1958年に広島大学教育学部心理学科を卒業しました。その後、広島大学の医学部に進学し、1962年には広島大学大学院にて教育心理学を専攻し修了しました。彼のキャリアは、広島大学教養部にて助手や講師としてスタートし、そこからさまざまな役職を歴任しました。特に、広島大学総合科学部では助教授および教授として、行動制御論の分野で活躍し、学生部長も務めました。

上里はその後、早稲田大学人間科学部で教授として指導し、同大学院での客員教授職も果たしました。また、東亜大学や広島国際大学においても教授として教壇に立ち、特に2001年からは人間環境学部にて臨床心理学科の教授を務め、副学長および学長も歴任しました。晩年には、花園大学の客員教授及び財団法人日本臨床心理士資格認定協会の常任理事としても活躍しました。

業績と受賞

彼の研究や業績は、心理学分野に多大な影響を及ぼし、2007年度には日本心理臨床学会から学会賞を受賞しました。上里氏は、多くの著作や共著を持ち、その知識や経験を世に広めることに尽力しました。主な著作には、『乳幼児臨床心理学』や『心理療法入門』、『行動療法 現状と課題』などがあり、臨床心理学における重要なテキストとして広く使用されています。

また、彼は心理学の教育に力を入れ、学生たちに心理学の楽しさや重要性を伝えてきました。彼の教育法は、学生たちに対する思いやりと、心理学を通じて社会に貢献する姿勢を常に強調するものでした。

翻訳活動

上里は、様々な心理学関連書籍の翻訳や監訳も手がけており、特に「疎外と実存的対話」や「セルフコントロール」、「スモーキング 健康とパーソナリティをめぐって」など、現在の心理学研究や実践に影響を与えている作品が多数あります。彼の翻訳活動は、国内外の心理学の最新の知見を日本に伝える架け橋となりました。

最後に

上里一郎の生涯は、心理学の発展に貢献するという多くの人々に示された模範であり、彼が残した業績や教育は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。彼の死を悼む声は多く、心理学界における彼の足跡は永遠に残ることでしょう。

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