上野忠

上野 忠

上野 忠（うえの ただし）氏は、1972年11月2日に茨城県で生まれた、元プロ野球選手です。現役時代は捕手としてプレーしました。選手としてのキャリアを終えた後も、プロ野球の裏方として、また指導者として長く野球界に貢献しています。

アマチュア時代

上野氏は地元の霞ヶ浦高等学校で野球に打ち込みました。高校3年生の時には、春の選抜高等学校野球大会に出場する栄誉に浴しました。甲子園の舞台に立ちましたが、惜しくも初戦で天理高校に敗退し、上位進出は叶いませんでした。

プロ野球選手として

高校卒業後の1990年オフ、上野氏はドラフト会議を経ずに東京ヤクルトスワローズへ入団しました。プロの世界で捕手として勝負を挑みましたが、当時のヤクルト球団は層の厚い捕手陣を擁しており、選手として一軍の公式戦に出場する機会を得ることはできませんでした。プロ選手としての在籍期間を終え、1999年のシーズン終了後に自由契約となり、選手としてのキャリアに区切りをつけました。

ブルペン捕手としての貢献

選手を引退した後も、上野氏のプロ野球への情熱は衰えることはありませんでした。2001年にはブルペン捕手としてオリックス・ブルーウェーブと契約を結び、チームを支える裏方としての道を歩み始めました。ブルペン捕手は、試合前や練習中に投手陣の球を受け、投手の調整をサポートする重要な役割を担います。チームが円滑に活動するために欠かせない存在です。

2005年、プロ野球界の再編に伴い、オリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズが合併し、東北楽天ゴールデンイーグルスが新規球団としてパ・リーグに参入しました。上野氏は、この機会に活躍の場を楽天へ移すことを決断しました。オリックス・ブルーウェーブのブルペンスタッフの中で、楽天へ移籍したのは彼ただ一人でした。なぜ新しい球団を選んだのか、その動機について2005年のインタビューでは、「新規球団で一からチーム作りに関わってみたい」という強い意欲があったことを明かしています。東北の地で、彼は2010年までブルペン捕手として、創設間もないチームを献身的に支え続けました。投手の状態を把握し、練習を補助するなど、チームの戦力向上に貢献したのです。

現在の活動

プロ野球の現場を離れた現在も、上野氏は野球との関わりを持ち続けています。かつて楽天ゴールデンイーグルスで共にプレーした森田丈武氏が運営する野球アカデミー、「JOBU BASEBALL ACADEMY」において、臨時でバッテリーコーチを務めています。ここでは、自身の経験を活かし、次世代を担う若い選手たち、特に捕手や投手の育成に力を注いでいます。

詳細情報

プロ選手としての一軍公式戦出場はありませんでした。

背番号

ヤクルトスワローズ時代：72（1991年 - 1996年）、69（1997年 - 1999年）
オリックス・ブルーウェーブ時代：107（2001年 - 2004年）
* 東北楽天ゴールデンイーグルス時代：101（2005年 - 2010年）

上野忠氏は、選手としては一軍に上がることはありませんでしたが、ブルペン捕手として長きにわたりプロ野球チームを支え、現在は若手指導にも携わるなど、野球界で多様な形で貢献を続ける人物です。そのキャリアは、表舞台だけでなく、裏方としてもチームを支えることの重要性を示しています。

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