上野英三郎

上野英三郎とその業績

上野英三郎（うえの えいざぶろう、1872年1月19日 - 1925年5月21日）は、日本の農学における重要な人物であり、農業土木および農業工学の創始者として広く知られています。また、彼は忠犬ハチ公の飼い主としても有名です。このため、彼の名字は日本の文化や農業の発展に深く刻まれています。

生い立ちと教育

上野は三重県一志郡本村（現在の津市久居元町）に生まれ、大名家から酷似した名前の家に生まれました。上野家はその土地に根ざした家系で、彼は父・六兵衛の三男として育ちました。1887年に東京農林学校に入学し、1890年には農科大学予科に進み、1892年に農学科に転じました。1895年には東京帝国大学農科大学を卒業し、農学士の称号を取得しました。そのまま大学院に進み、農業土木や農具に関する研究を行いました。

農業土木の発展

1899年、政府により耕地整理法が制定されたのをきっかけに、上野は農業土木学の専門技術者としての活動をスタートしました。当時、農業土木を研究する専門家がいなかったため、彼は全国各地で講演や技術指導を行い、この分野の発展に寄与しました。また、1905年から20年以上にわたり、農商務省に委託され、3,000人以上の農業土木技術者を育成しました。彼の指導を受けた技術者たちは、1923年の関東大震災後の復興事業にも大きく関わりました。

教育者としての活動

1911年に東京帝国大学農科大学の教授に就任し、農業工学講座を担当しました。彼はその後も農業土木専修のコースを設立し、多くの学生を指導していきました。彼の教育は次世代の農業技術の革新に大きく貢献しました。

ハチとの関係

彼は晩年、秋田犬のハチを購入し、深い愛情をもって育てました。しかし、1925年に大学で講義中に急逝し、ハチはその後10年間も渋谷駅で主人の帰りを待ち続けました。この物語は感動的であり、多くの人々に愛されています。

死後の栄誉

上野の死後、彼の業績を記念して「上野賞」が設立されました。この賞は、農業土木の分野で顕著な貢献をした人々に贈られています。また、彼とハチ公を讃える像が東京大学に建立されており、彼の存在は現在まで受け継がれています。

まとめ

上野英三郎は日本の農学において多大な功績を残した研究者であり、忠犬ハチ公の飼い主としても知られる人物です。彼の生涯は、農業土木技術の発展と愛犬との深い絆の象徴として語り継がれています。今日も彼の業績は、日本の農業の根幹を成す支えとなっています。

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