上野隆太

上野 隆太（うえの りゅうた）は、1985年10月2日に京都府で生を受けた日本の元ラグビー選手である。現役時代の主なポジションはフッカー（HO）を務めた。京都府出身。現在は、ジャパンラグビーリーグワンの強豪であるトヨタヴェルブリッツにて、フォワード（FW）のアシスタントコーチとして後進の指導にあたっている。選手として培った豊富な経験と知識を活かし、チームの戦力向上に貢献している。

上野がラグビーと出会ったのは幼少期、小学校に通っていた頃である。地元の京都ラグビースクールに入ったことが、彼をラグビーの世界へと導いた。その後、中学を経て、数多くの才能ある選手を輩出してきたラグビーの強豪校、東海大学付属仰星高校（現在の東海大学付属大阪仰星高校）に進学した。高校でもフッカーとして鍛錬を積み、その実力を高めた。

高校卒業後の2004年には、日本ラグビー界において確固たる地位を築く名門、明治大学に進学した。明治大学ラグビー部では、激しい競争の中でレギュラーの座を獲得し、フォワードの重要な役割を担った。持ち前のフィジカルと、フッカーに求められる正確なセットプレーの技術を磨き続けた。そして、ラグビーキャリアの中でも特筆すべき出来事として、大学最終学年となる2007年度には、チームをまとめるリーダーとして明治大学ラグビー部の主将を務めた。この経験は、彼にとって選手としての成長はもちろん、人間的な成長においても非常に大きな財産となったであろう。

大学卒業後の2008年、上野は当時のトップリーグに所属していたトヨタ自動車ヴェルブリッツ（現在のトヨタヴェルブリッツ）に加入し、プロフェッショナルとしてのキャリアをスタートさせた。国内最高峰のリーグで戦うことになった彼は、加入初年度の2008年10月11日に行われたジャパンラグビートップリーグ第4節、コカ・コーラウエストレッドスパークス戦で途中出場を果たし、リーグ公式戦への初出場を飾った。以後、トヨタヴェルブリッツの主戦フッカーの一人としてチームに欠かせない存在となり、安定したスクラムやラインアウト、そしてオープンプレーでの貢献でチームを支えた。

国際舞台でもその名を刻んだ。2011年5月21日に開催されたアジア5カ国対抗のスリランカ代表との試合において、見事に日本代表として初キャップを獲得した。日の丸を背負ってプレーした経験は、彼のラグビー人生におけるハイライトの一つと言えるだろう。身長174cm、体重100kgと、フッカーとしては決して大柄ではないが、それを補うパワフルなプレーと粘り強さで、国内外の強豪相手にも臆することなく立ち向かった。

トヨタ自動車ヴェルブリッツでは、およそ11シーズンにわたりプレーを続けた。その間、チームの勝利に貢献し続け、怪我を乗り越えながら第一線で活躍した証として、2017年8月にはジャパンラグビートップリーグ通算100試合出場という節目を達成した。これは、多くの選手が引退していく中で、長期間にわたりトップレベルでのパフォーマンスを維持し続けたことの証明であり、その貢献度の高さを物語る記録である。

2019年、長年在籍したトヨタ自動車ヴェルブリッツを退団し、現役選手としてのキャリアにピリオドを打った。しかし、ラグビーへの情熱が冷めることはなく、新たなキャリアとして指導者の道を選んだ。現在は、選手として長年親しんだトヨタヴェルブリッツに戻り、フォワードのアシスタントコーチとして活動している。選手時代に培った豊富な知識と経験を活かし、若手選手の育成やチーム全体のレベルアップに尽力しており、指導者としての今後の活躍が期待されている。

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