上関町

山口県上関町：歴史と自然が織りなす瀬戸内の町

上関町は、山口県の南東部に位置し、瀬戸内海に面した自然豊かな町です。室津半島の先端と、長島、祝島、八島の三つの島々から構成されています。町の中心部は、室津半島先端の室津地区と、本土と上関大橋で結ばれた長島です。

地理と気候

瀬戸内海に面しており、温暖で雨量が少ない気候が特徴です。海岸線は複雑に入り組んでおり、美しい景色が広がっています。かつては海上交通の要衝として栄え、今もなお歴史的な名残が色濃く残っています。

歴史

上関の地名は、かつて瀬戸内海西部に設けられた関所の一つ「上関」に由来します。この地は、平安時代から室[[町時代]]にかけては「竈戸」と呼ばれていました。966年の記録には、長島周辺の集落が皇室にイカの塩辛を納める御厨として登場します。平安末期には風待ち港として利用され、鎌倉時代には関所としての機能が強化されました。

室[[町時代]]には大内氏が支配し、倭寇の拠点としても知られていました。戦国時代には、村上水軍と毛利氏の重要な海上拠点の一つとなりました。江戸時代中期には、北前船の風待ち港として繁栄し、藩の出先機関が置かれました。しかし、明治時代以降は、機帆船や蒸気船の登場により、港としての役割を終えました。

近年の動向

1969年に上関大橋が開通し、本土との交通が便利になりました。しかし、1982年に浮上した原子力発電所の建設計画は、町の将来を左右する大きな問題となっています。2023年には、使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設調査の受け入れを表明するなど、原子力発電を巡る動きが活発化しています。

近年は、人口減少と高齢化が深刻化しており、過去40年で人口が3分の1に減少しています。町では、地域活性化のための様々な取り組みが行われています。

行政と産業

上関町は、1889年に上関村として発足し、1958年に室津村と合併して町制を施行しました。町長は西哲夫氏で、町議会は定員10名です。警察は柳井警察署が管轄し、消防は柳井地区広域消防組合が担当しています。

産業別就労割合は、第一次産業が19.3％、第二次産業が19.8％、第三次産業が60.7%となっています。農業では、温州みかんの栽培が盛んです。漁業では、アジ、マダイ、ハモなどが水揚げされています。また、上関町商工会や山口県漁業協同組合などの関連施設もあります。

交通

町内には鉄道や空港はなく、最寄りの空港は岩国錦帯橋空港です。鉄道はJR山陽本線柳井駅が最寄りで、バスや航路を利用してアクセスできます。路線バスは防長交通と上関町営バスが運行しており、町内各地を結んでいます。道路は、高速道路や国道は通っておらず、県道を利用します。

文化と観光

上関町は、NHK朝の連続テレビ小説『鳩子の海』の舞台にもなりました。著名な出身者としては、タレントの原田大二郎氏がいます。また、橋下徹氏の母親が上関町出身です。町の美しい自然と歴史的な建造物は、多くの観光客を魅了しています。

上関町は、歴史と自然が織りなす魅力的な町です。しかし、人口減少や原子力発電所問題など、多くの課題を抱えています。町の将来は、これらの課題にどう向き合っていくかにかかっています。

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