下之一色町 (名古屋市)

下之一色町 - 名古屋市中川区の町名

下之一色町（しものいっしきちょう）は、愛知県名古屋市中川区の町名であり、住居表示は未実施です。名古屋市の南端に位置し、周囲には法華西町や高杉町、昭和橋通、さらには港区の小碓町や当知町と接しています。また、南側には港区の南陽町大字福田があり、北側には一色新町一・三丁目、大当郎三丁目が隣接しています。西側には新川を挟んで富田町江松や江松があるため、この地域は庄内川と新川に挟まれた地形となっています。

地理的背景

下之一色町は名古屋市中川区の南部に位置し、河川による自然的な境界が印象的です。主な河川には庄内川（ここには一色大橋や明徳橋があり）、新川（三日月橋や日の出橋があります）があります。町の地理的特性は、住民にとって生活の利便性を助けています。

この地区の中には、いくつかの旧地名が併存しています。具体的には、戌亥島（いぬいじま）、北起（きたおこし）、操出（くりだし）などの地名があり、それぞれ地域の歴史や文化を反映しています。

歴史の歩み

下之一色町の歴史は古く、愛知郡下之一色村をその起源としています。この地区は、かつて漁師町として発展し、1912年には下之一色魚市場が開設されました。しかし、1959年の伊勢湾台風をきっかけに漁業権が放棄され、その後も魚市場は朝市などの活動を通じて海産物の流通拠点として機能していました。しかし、2021年に新川の堤防改修に伴い、下之一色魚市場は閉鎖されました。

町名の由来には諸説あり、「一色」は一種の作物を年貢として納付する土地を指す「一色田」という説や、湿地に住宅を定めることを意味する「居敷を定める」という説があります。これは北一色に対する下の位置を示すための名称とも解されています。

沿革と行政区の変遷

町の沿革は1889年から始まり、当初は愛知郡下之一色村として設立されました。1917年に町制が施行され下之一色町となった後その区域は次々と変化を遂げました。

1931年、町名の一部が名古屋市南区に編入され、1934年には耕地整理施行に伴い、現在の字松蔭の丁目などが新設されました。1947年には再度名古屋市南区に編入され、その後の1959年に中川区に所属となりました。

現在の社会構造

30年以上経過した現在、下之一色町には少数の世帯が存在し、主な住民は地域内の公立学校に通っています。教育機関としては、名古屋市立正色小学校や保育園などがあります。

交通の便

地域の交通網は充実しており、国道1号や数本の愛知県道が周囲を通り、バス路線も整備されています。権野停留所からは多くのバスが発着し、周辺地区とのアクセスも容易です。特に公共交通の利用は、住民の日常生活にとって重要な要素となっています。

まとめ

下之一色町は、その歴史的背景や地理的特性から、名古屋市中川区の中でも興味深い場所です。今後も地域の文化や歴史の継承が期待されます。

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