下村耕嗣

下村耕嗣の経歴と業績

下村耕嗣（しもむらこうじ、1952年4月12日 - 2007年2月24日）は、日本の著名な経済学者であり、国際経済学及び国際貿易論において多大な影響を与えました。彼は神戸大学で教授として尽力し、経済学の発展に寄与しました。本名は下村和雄です。

学歴と職歴

彼は1971年に大阪府立豊中高等学校を卒業後、1975年に神戸大学経済学部を修了しました。さらに、1977年には同大学院経済学研究科で修士課程を修了し、1978年には博士課程を単位取得退学しました。その後、同年に神戸大学経済経営研究所の助手として職を得て、1982年には助教授、1994年には教授に昇進しました。彼はさらに1983年にはオーストラリアのニューサウスウェールズ大学でPh.D.を取得しました。下村は2007年2月24日に逝去するまで、経済学研究に情熱を注ぎ続けました。

研究と貢献

下村はInternational Economics and Finance Society Japan（IEFS Japan）の代表、日本経済学会の常任理事、さらにはReview of International Economicsのアソシエイト・エディターとしての役職を務め、経済学界で重要な役割を果たしました。彼の研究は147本の論文にまとめられ、動学的および静学的なフレームワークを用いた貿易の利益の理論的な分析に焦点を当てていました。彼の業績は高く評価され、Review of International Economicsでは追悼巻が特別に編集されるほどでした。

逸話と個人的な特徴

下村のペンネームは「耕嗣」で、これは「一生懸命にそして謙虚に働く」という意味を込めたものです。しかし、神戸大学の学内雑誌に論文を投稿する際に編集委員から本名を使用するように依頼されると、彼は投稿自体を取り下げたという逸話もあります。彼は繁忙な研究生活を送りながらも、休むことなく働きました。実際、2006年10月に病気から回復して退院した際は、すぐに授業を再開したというエピソードがあります。また、忘年会ではカラオケのために1週間も歌の練習を行うなど、オフの時間も全力で楽しむ姿勢がありました。

病床でも研究心を抱き続け、「パレート改善的な貿易協定が存在しうるかどうか」について意見を交わしたり、亡くなる直前まで研究に没頭していたとのことです。このように、下村耕嗣の姿勢は、学生や同僚たちに多大な影響を与えました。

代表的著作と論文

下村は多数の著書と研究論文を執筆しました。著書には、ヘンリー・ワンとの共著による『Globalization and Economic Development in East Asia: Lecture Notes of Professor Henry Wan』、マレー・ケンプ、ゴ・ヴァン・ロンとの共著による『Labor Unions and the Theory of International Trade』、研究叢書24に収録された『資本蓄積過程の分析』などがあります。また、彼が手掛けた代表的な論文には、「A theory of involuntary unrequited international transfers」、「Trade and indeterminacy in a dynamic general equilibrium model」、「Feedback equilibria of a differential game of capitalism」など、経済理論における重要なテーマを探求したものが多くあります。

下村耕嗣の経歴や研究成果は、経済学の分野における貴重な資産であり、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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