ニューサウスウェールズ大学

ニューサウスウェールズ大学（UNSW Sydney）

ニューサウスウェールズ大学（The University of New South Wales、略称：UNSW）は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州シドニーに本部を置く、国立の総合大学です。その優れた教育実績と研究成果は、アジア太平洋地域において高く評価され、オーストラリア国内でもトップクラスの大学として知られています。シドニー大学やメルボルン大学と並び、常にトップに位置づけられる名門大学であり、世界的な大学ランキングでも上位にランクインしています。2024年のQS世界大学ランキングでは19位に位置し、ニューサウスウェールズ州内の大学ではシドニー大学と並んで1位を獲得しています。

UNSWは、オーストラリア国内の主要な8大学で構成される「Group of Eight」の創立メンバーでもあります。また、卒業生がASX200に上場している企業のCEOになる割合が国内大学で最も高く、富裕層の輩出数も多いことで知られています。2013年には、THEの「World's top 100 universities for producing millionaires」で33位となり、オーストラリアの大学の中でトップに輝きました。

歴史

UNSWは、第二次世界大戦後の科学技術分野における高等教育の必要性の高まりを受け、1949年にニューサウスウェールズ工科大学として設立されました。オーストラリアの大学の中では、シドニー大学、メルボルン大学、アデレード大学などに次いで8番目に設立されましたが、その起源は、ニューサウスウェールズ州がイギリスの植民地時代に設立されたシドニー・テクニカル・カレッジにまで遡ることができます。このため、国内ではウェスタンシドニー大学に次いで2番目に長い歴史を持つ大学と言えます。

当初は、土木工学、機械工学、電気工学などの分野に特化していましたが、総合的な人間教育を目指す観点から、人文科学や商学などの教育も並行して行っていました。1958年には現在の大学名に変更し、1960年に人文学部と医学部、1971年には法学部が新設され、総合大学へと発展しました。

1951年からは海外からの留学生受け入れも開始し、2000年代初頭には全学生の約5分の1が留学生となり、現在では50,000人を超える学生が在籍しています。そのうち10,000人以上が海外からの学生であり、オーストラリアで最も国際色豊かな大学の一つです。

キャンパス

UNSWは、複数のキャンパスを持っています。

ケンジントンキャンパス (Kensington Campus): メインキャンパスであり、シドニー中心部から南東に7kmのケンジントンに位置しています。9学部中7学部がここにあります。
パディントンキャンパス (Paddington Campus): UNSWアート＆デザイン学部があります。
CBDキャンパス (CBD Campus)
ランドウィックキャンパス (Randwick Campus)
クリフブルックキャンパス (Cliffbrook Campus)
デビッドフィリップスキャンパス (David Phillips Campus)
マンリーベールキャンパス (Manly Vale Campus)
キャンベラキャンパス (Canberra Campus): オーストラリア国防大学 (ADFA) の一部です。

また、オーストラリア国立演劇学院と学術提携を結んでいます。

学部

UNSWは、以下のような学部を提供しています。

UNSWアート＆デザイン (UNSW Art & Design)
UNSW人文社会学部 (UNSW Arts & Social Sciences)
UNSW建設環境学部 (UNSW Built Environment)
UNSWビジネススクール (UNSW Business School)
UNSW工学部 (UNSW Engineering)
UNSW法学部 (UNSW Law)
UNSW医学部 (UNSW Medicine)
UNSW理学部 (UNSW Science)
UNSWキャンベラ at ADFA (UNSW Canberra at ADFA)

世界ランキングと評価

UNSWは、その教育と研究の質で世界的に高く評価されています。2024年のQS世界大学ランキングで19位、ザ・タイムズ・ハイアー・エデュケーション（THE）の世界大学ランキングで78位にランクインしています。

特に、商学、経済学、工学、法学分野で強みを持っており、学部別のランキングでは会計・ファイナンス部門で10位（オーストラリア国内1位）、法学部門で16位（オーストラリア国内4位）、土木工学部門で15位（オーストラリア国内1位）となっています。

また、UNSWは学齢期の子ども向けの国内・国際的なアカデミック大会を運営するなど、初等中等教育にも積極的に関与しており、2016年から2年連続でニューサウスウェールズ州の高校生から最も支持された大学です。卒業生の就職率も高く、2020年のQS世界大学の「Graduate Employability Rankings」では27位に位置付けられています。

学生寮

キャンパス内には多くの学生寮があり、常時4,400人の学生が生活できる施設が整っています。これはニューサウスウェールズ州の大学で最大規模です。

主な学生寮：

The Kensington Colleges
Basser College
Goldstein College
Baxter College
Colombo House
Fig Tree Hall
UNSW Hall
Barker Street Apartments
High Street Apartments
Mulwarree Apartments
The University Terraces

また、大学の提携機関によって運営される寮もキャンパス内や周辺に点在しています。

Creston College
International House
New College
New College Village
Shalom College
UniLodge
UNSW Village
Warrane College
Port Macquarie Accommodation

日本の大学との関係

UNSWは、日本のお茶の水女子大学、学習院大学、関西外国語大学、関西学院大学、京都大学、慶應義塾大学、国際教養大学、神戸市外国語大学、神戸大学、中央大学、東京大学、同志社大学、同志社女子大学、東北学院大学、東北大学、名古屋市立大学、北海道大学、明治大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学と提携または協定を結び、積極的に留学生を受け入れています。

主な出身者

UNSWは、政界、経済界、学術界、芸術界など、多岐にわたる分野で活躍する多くの著名な卒業生を輩出しています。

スコット・モリソン（第30代オーストラリア連邦首相）
マリース・ペイン（オーストラリア連邦国防大臣）
スーザン・リー（オーストラリア連邦保健・高齢者ケア担当大臣）
ボブ・カー（元オーストラリア連邦外務大臣）
ピーター・ギャレット（元オーストラリア連邦環境保護大臣、音楽家）
キャンベル・ニューマン（第38代クイーンズランド州首相）
ルーシー・ターンブル（元シドニー市長）
ロバート・マクレランド（元オーストラリア連邦司法長官）
エリザベス・フラートン（ニューサウスウェールズ州最高裁判所判事）
ルーシー・マカラム（ニューサウスウェールズ州最高裁判所判事）
トニー・ミーガー（ニューサウスウェールズ州最高裁判所判事）
メーガン・レイサム（元ニューサウスウェールズ州最高裁判所判事）
ロジャー・コルベット（元ウールワースCEO）
ダグラス・ダフト（元ザ・コカ・コーラ・カンパニーCEO）
ドナルド・マクドナルド（元オーストラリア放送協会会長）
ティム・フラナリー（哺乳類学者）
グレン・マーカット（建築家）
サム・マイケル（レーシングカーエンジニア）
レンカ（歌手）
ジョージ・ミラー（映画監督）
レベル・ウィルソン（女優）
マシュー・ライリー（小説家）
マークス・ズーサック（小説家）
ジェーン・サビル（オリンピック銅メダリスト）
マイケル・ウェンデン（オリンピック金メダリスト）
ラーマ10世（タイ王国国王）
トゥポウ6世（トンガ国王）
多和田眞（経済学者）

関係者

トビー・ウォルシュ - AI研究所研究者

関連項目

オーストラリアの大学一覧
オーストラリア8大学 (Group of Eight)
Universitas 21

外部リンク

UNSW Sydney | One of the best universities in Australia
英語版） about Singapore campus'>UNSW news article（英語版） about Singapore campus
英語）'>UNSW Bookshop （英語）
英語）'>Home page | Universitas 21 （英語）
英語）'>Group of Eight （英語）
* 英語）'>Study Abroad and Exchange at UNSW （英語）

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