下田恒幸
日本のフリーアナウンサー、下田恒幸氏は1967年8月18日、東京都町田市に生まれました。
来歴
町田市出身の下田氏は、会社員だった父親の都合により、小学校3年生から4年間をブラジルのサンパウロで過ごしました。現地で通った日本人学校の友人たちに影響を受け、サッカーに夢中になる生活を送る中で、ラジオから流れる熱のこもったサッカー実況に強く惹きつけられます。この経験が、将来アナウンサーを目指すきっかけとなりました。
帰国後、町田市内のつくし野中学校、東京都立町田高等学校を経て、慶應義塾大学経済学部に進学・卒業。
大学卒業を控えた就職活動では、複数の放送局のアナウンサー職に挑戦し、二つの地方局から内定を得ました。当初は競馬中継に強い関心があった別の局への入社を考えていましたが、仙台放送の担当者から「全国ネットの中継に携わる機会が豊富にある」という熱心な説得を受け、翻意。1990年に仙台放送に入社しました。
仙台放送でのキャリアは、宮城県で開催された全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会での実況付き取材が最初期のサッカーとの関わりでした。その後一時的に音楽番組などを担当しサッカーから離れますが、入社5年目の1995年、Jリーグ参入を目指し「ブランメル仙台」と改名した東北電力サッカー部が出場した地域リーグ決勝大会を取材したことが転機となります。この取材を契機に、本格的にサッカー中継の世界に足を踏み入れました。ブランメルがこの大会を制して旧JFLに昇格する過程での取材経験が、その後のサッカー実況の基礎を築いたと言われています。
ブランメル時代は年間1～2試合程度の担当にとどまっていましたが、ブランメルがベガルタ仙台としてJリーグ（J2）に参入した後、2004年には仙台放送がJ SPORTSのベガルタ仙台戦中継制作に協力したことで、年間10試合以上のサッカー実況を担当し、経験を積み重ねました。しかし、翌2005年に仙台放送がJ SPORTSとの制作協力関係を解消することになります。この状況に直面し、「アナウンサー、特に実況者としての可能性をどこまでも追求したい。そうしないと人生に後悔が残るだろう」という強い思いを抱き、入社15年目にして仙台放送を退社する決断を下しました。
東京に戻り、フリーアナウンサーとしての活動を開始。主にCS放送を中心に、サッカーやモータースポーツの中継で活躍の場を広げています。近年では、スカパー!でのサッカー中継において、2010 FIFAワールドカップの日本戦（カメルーン戦など）を含む現地中継を担当。さらに、2011年にはUEFAヨーロッパリーグ決勝、2012年にはUEFAチャンピオンズリーグ決勝の実況を務めるなど、重要な試合での実況経験を重ねています。現在では、年間におよそ200試合以上ものサッカー実況を担当していると言われています。
エピソード
サッカーが盛んな町田の出身ですが、ブラジルに移住する前はサッカーに触れる機会は少なく、父親の影響で読売ジャイアンツを応援する野球少年でした。自身もサッカーをプレーした経験はありますが、高校1年で辞めています。
下田氏自身の「心のクラブ」は、ブラジル在住当時、ジーコが所属していたCRフラメンゴだそうです。
慶應義塾大学3年生の頃には、大学祭である三田祭の実行委員を務めた経験があり、ライブゲストとして伊藤多喜雄氏を招聘しようと企画したものの、却下されたというユニークなエピソードも持ち合わせています。
仙台放送時代に担当していた深夜の音楽番組「夜は変ホ短調」は、元々深夜枠を任された下田氏が、ロック音楽（特にハードロック・ヘヴィメタル）への深い造詣から、人気音楽番組「MTV Headbangers Ball」を模したコーナーを企画したところ、これが好評を博し、単独番組として制作されることになったものです。
仙台放送時代の有名なエピソードとして、海外アーティストの仙台公演が少なかった時代に、番組内でMR. BIGの仙台公演実現に向けた署名を呼びかけ、実際に公演が実現したという話が語られることがあります。しかし、これは実際には、元々内定していたMr. BIGの仙台ライブを、「署名活動によって実現した」かのように盛り上げるための、下田氏がラジオDJと共謀して仕掛けた“演出”であったことを本人が明かしています。
J SPORTSでのサッカー実況では、解説者の玉乃淳氏との掛け合いがしばしば話題となります。2014年12月3日放送のバラエティ番組「マツコ&有吉の怒り新党」では、「新3大・試合より気になる放送席」の一つとして、この下田・玉乃コンビが取り上げられました。玉乃氏の解説を時に「無視している」ように見えるとの声に対し、下田氏は「玉乃くんが拾いようのないことを言うから拾わない」とユーモラスに語っています。一方で、玉乃氏の解説スタイルについて「解説というより感覚的な感想が多い」としつつも、「その試合や一つのプレー、そしてサッカーそのものをものすごく楽しんで、その流れに乗っかっている感じの波長が自分と近い」と述べ、良好な関係性を示唆しています。
下田氏の実況スタイルの一つとして、試合開始前の導入部分で、その試合に懸ける想いや背景を語る「口上」を取り入れることが多い点が挙げられます。下田氏自身はこの口上を「イントロ」と呼んでおり、特に2010 FIFAワールドカップ・日本対カメルーン戦の試合前に語られた「イントロ」は、サッカーファンの間で名言として語り継がれています。
現在もDAZN、SPOTV NOW、J SPORTSなどを中心に、Jリーグ、プレミアリーグ、ブンデスリーガなど国内外の主要なサッカーリーグや大会の実況を数多く担当し、日本のサッカー中継に欠かせない存在として活躍を続けています。過去には、フリー転向後に「REDS NAVI」、SUPER GT中継、F1関連番組なども担当したほか、仙台放送時代にはベガルタ仙台戦や東北楽天ゴールデンイーグルス戦、高校バレーなど、様々なスポーツ中継や情報・バラエティ番組に出演していました。
来歴
町田市出身の下田氏は、会社員だった父親の都合により、小学校3年生から4年間をブラジルのサンパウロで過ごしました。現地で通った日本人学校の友人たちに影響を受け、サッカーに夢中になる生活を送る中で、ラジオから流れる熱のこもったサッカー実況に強く惹きつけられます。この経験が、将来アナウンサーを目指すきっかけとなりました。
帰国後、町田市内のつくし野中学校、東京都立町田高等学校を経て、慶應義塾大学経済学部に進学・卒業。
大学卒業を控えた就職活動では、複数の放送局のアナウンサー職に挑戦し、二つの地方局から内定を得ました。当初は競馬中継に強い関心があった別の局への入社を考えていましたが、仙台放送の担当者から「全国ネットの中継に携わる機会が豊富にある」という熱心な説得を受け、翻意。1990年に仙台放送に入社しました。
仙台放送でのキャリアは、宮城県で開催された全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会での実況付き取材が最初期のサッカーとの関わりでした。その後一時的に音楽番組などを担当しサッカーから離れますが、入社5年目の1995年、Jリーグ参入を目指し「ブランメル仙台」と改名した東北電力サッカー部が出場した地域リーグ決勝大会を取材したことが転機となります。この取材を契機に、本格的にサッカー中継の世界に足を踏み入れました。ブランメルがこの大会を制して旧JFLに昇格する過程での取材経験が、その後のサッカー実況の基礎を築いたと言われています。
ブランメル時代は年間1～2試合程度の担当にとどまっていましたが、ブランメルがベガルタ仙台としてJリーグ（J2）に参入した後、2004年には仙台放送がJ SPORTSのベガルタ仙台戦中継制作に協力したことで、年間10試合以上のサッカー実況を担当し、経験を積み重ねました。しかし、翌2005年に仙台放送がJ SPORTSとの制作協力関係を解消することになります。この状況に直面し、「アナウンサー、特に実況者としての可能性をどこまでも追求したい。そうしないと人生に後悔が残るだろう」という強い思いを抱き、入社15年目にして仙台放送を退社する決断を下しました。
東京に戻り、フリーアナウンサーとしての活動を開始。主にCS放送を中心に、サッカーやモータースポーツの中継で活躍の場を広げています。近年では、スカパー!でのサッカー中継において、2010 FIFAワールドカップの日本戦（カメルーン戦など）を含む現地中継を担当。さらに、2011年にはUEFAヨーロッパリーグ決勝、2012年にはUEFAチャンピオンズリーグ決勝の実況を務めるなど、重要な試合での実況経験を重ねています。現在では、年間におよそ200試合以上ものサッカー実況を担当していると言われています。
エピソード
サッカーが盛んな町田の出身ですが、ブラジルに移住する前はサッカーに触れる機会は少なく、父親の影響で読売ジャイアンツを応援する野球少年でした。自身もサッカーをプレーした経験はありますが、高校1年で辞めています。
下田氏自身の「心のクラブ」は、ブラジル在住当時、ジーコが所属していたCRフラメンゴだそうです。
慶應義塾大学3年生の頃には、大学祭である三田祭の実行委員を務めた経験があり、ライブゲストとして伊藤多喜雄氏を招聘しようと企画したものの、却下されたというユニークなエピソードも持ち合わせています。
仙台放送時代に担当していた深夜の音楽番組「夜は変ホ短調」は、元々深夜枠を任された下田氏が、ロック音楽（特にハードロック・ヘヴィメタル）への深い造詣から、人気音楽番組「MTV Headbangers Ball」を模したコーナーを企画したところ、これが好評を博し、単独番組として制作されることになったものです。
仙台放送時代の有名なエピソードとして、海外アーティストの仙台公演が少なかった時代に、番組内でMR. BIGの仙台公演実現に向けた署名を呼びかけ、実際に公演が実現したという話が語られることがあります。しかし、これは実際には、元々内定していたMr. BIGの仙台ライブを、「署名活動によって実現した」かのように盛り上げるための、下田氏がラジオDJと共謀して仕掛けた“演出”であったことを本人が明かしています。
J SPORTSでのサッカー実況では、解説者の玉乃淳氏との掛け合いがしばしば話題となります。2014年12月3日放送のバラエティ番組「マツコ&有吉の怒り新党」では、「新3大・試合より気になる放送席」の一つとして、この下田・玉乃コンビが取り上げられました。玉乃氏の解説を時に「無視している」ように見えるとの声に対し、下田氏は「玉乃くんが拾いようのないことを言うから拾わない」とユーモラスに語っています。一方で、玉乃氏の解説スタイルについて「解説というより感覚的な感想が多い」としつつも、「その試合や一つのプレー、そしてサッカーそのものをものすごく楽しんで、その流れに乗っかっている感じの波長が自分と近い」と述べ、良好な関係性を示唆しています。
下田氏の実況スタイルの一つとして、試合開始前の導入部分で、その試合に懸ける想いや背景を語る「口上」を取り入れることが多い点が挙げられます。下田氏自身はこの口上を「イントロ」と呼んでおり、特に2010 FIFAワールドカップ・日本対カメルーン戦の試合前に語られた「イントロ」は、サッカーファンの間で名言として語り継がれています。
現在もDAZN、SPOTV NOW、J SPORTSなどを中心に、Jリーグ、プレミアリーグ、ブンデスリーガなど国内外の主要なサッカーリーグや大会の実況を数多く担当し、日本のサッカー中継に欠かせない存在として活躍を続けています。過去には、フリー転向後に「REDS NAVI」、SUPER GT中継、F1関連番組なども担当したほか、仙台放送時代にはベガルタ仙台戦や東北楽天ゴールデンイーグルス戦、高校バレーなど、様々なスポーツ中継や情報・バラエティ番組に出演していました。
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