下野伸一郎

下野伸一郎（しもの しんいちろう）は、1990年10月10日に鹿児島県日置市で生まれた、日本の男子陸上競技選手です。彼は主に走幅跳を専門としており、その競技人生を通じて国内外の舞台で活躍しました。自己ベスト記録は、日本歴代でも高い水準にある8メートル11センチです。

経歴

高校時代

下野選手は鹿児島商業高校に進学し、走幅跳の選手としての才能を開花させました。高校生年代における主要な全国大会であるインターハイ、国民体育大会、そして日本ユース選手権に何度も出場。特に2007年の日本ユース選手権では、追い風0.0メートルの条件下で7メートル06センチの跳躍を成功させ、5位入賞という実績を残しました。残念ながら、インターハイと国民体育大会では表彰台に上る経験はありませんでしたが、高校3年時の2008年には自己記録を7メートル23センチまで伸ばしました。

大学時代

福岡大学への進学は、彼の競技キャリアにおいて重要な転換点となりました。大学1年次の2009年には、自己記録を大幅に更新し、7メートル76センチをマーク。これにより、シニアのトップ選手が集う日本選手権にも初めて出場を果たしました。続く大学2年（2010年）には九州インカレで初優勝、3年（2011年）には九州インカレで2連覇を達成するとともに、西日本インカレでも初優勝を飾るなど、学生レベルでの強さを発揮しましたが、この期間は自己記録の更新には至りませんでした。
集大成となった大学4年次の2012年、下野選手は再び記録を伸ばします。5月の九州インカレでは、3年ぶりに自己記録を更新する7メートル80センチを跳び、大会を3連覇。さらに7月14日には、福岡大学競技会において追い風2.0メートルの条件の下、8メートル08センチという驚異的な跳躍を成功させました。この記録は当時、日本歴代10位タイに並び、九州学生新記録ともなるものでした。この跳躍により、彼は日本でも数少ない8メートル台の跳躍ができる「8メートルジャンパー」の仲間入りを果たしたのです。同年9月の日本インカレでは、優勝した選手にわずか4センチ及ばず2位となり、学生日本一のタイトル獲得は惜しくも逃しましたが、10月に開催された国民体育大会では見事優勝を飾り、大学生活最後の年に全国大会で初の栄冠を手に入れました。

社会人時代

2013年からは電力関連企業の九電工に所属し、競技生活を続行しました。社会人1年目から実力を発揮し、6月の日本選手権では優勝に1センチ及ばず2位となりましたが、これが自身初の表彰台獲得となりました。この活躍が認められ、同年7月のアジア選手権には初めて日本代表として選出され、国際舞台で5位という成績を残しました。
その後も国内トップレベルで活躍を続け、2015年8月2日には福岡大学競技会で、自己記録を3年ぶりに塗り替える8メートル11センチ（追い風1.6メートル）の大ジャンプを披露しました。この記録は、当時の日本歴代7位に位置づけられる素晴らしいものでした。
2016年シーズン終了後、長年指導を受けていた福岡大学の片峯隆監督からの助言を得て、10年以上続けてきた反り跳びのフォームから、新たにダブルシザースへと大きな技術変更に取り組みました。フォーム変更という大きな決断を経て迎えた2017年シーズン、下野選手は再び復調を見せます。4月の織田記念陸上では、追い風参考記録ながら8メートル05センチを跳び初優勝。5月のゴールデングランプリ川崎では、公認記録として自身3度目の8メートル台となる8メートル00センチを記録し3位に入りました。6月の日本選手権では4年ぶりに表彰台（2位）に返り咲き、さらに7月のアジア選手権には2大会連続2度目の日本代表として出場し、6位入賞を果たしました。

自己記録

走幅跳：8メートル11センチ（追い風+1.6 m/s） - 2015年8月2日

その他の活動

陸上競技以外では、メディアへの出演経験もあります。2015年12月26日にTBS系列で放送されたバラエティ番組『スパニチ!! 珍種目No.1は誰だ!? ピラミッド・ダービー』内の企画「ロングジャンプダービー」に出場。他の分野のスペシャリストたちと跳躍力を競い合い、7メートル50センチを跳んで見事優勝しました。

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