下顎骨

下顎骨の概要

下顎骨、または mandible は、頭蓋の顔面骨の中でも最も大きく、強固な骨として知られています。この骨は、上顎骨と対になり、下顎の歯を支える重要な役割を果たしています。全体としては水平にU字型に曲がった下顎体と、両端に位置する垂直の下顎枝から構成されています。

主な構造

下顎体

下顎体は下顎骨の前部を形成し、その形状はU字型です。下顎体の下部は「下顎底」と呼ばれ、上部は「下顎骨歯槽部」として知られています。下顎底の中央部分には「オトガイ隆起」と呼ばれる前方に突き出た部分があり、両サイドにはオトガイ結節があります。これらの特徴は、視覚的に下顎の形状を際立たせる役割も果たしています。

内側面には凹面があり、オトガイ舌筋棘やその下にあるオトガイ舌骨筋棘と呼ばれる棘状の構造があります。これらの部位は、それぞれ特定の筋肉の起始となります。また、下顎体の下辺は約20～30°の角度で傾斜しています。傾斜の程度は人種によって異なるものの、これは顎の形状を決定づける要因の一つです。

下顎枝

下顎枝は下顎骨の後部を形成する四辺形の部分で、上下に突起が存在します。外側面は主に咬筋の停止部分となり、内側には下顎孔があり、ここから下歯槽動脈や神経が通ります。この下顎管は、歯槽との交通があり、下顎の機能に必要な血流や神経の供給を担っています。

下顎角

下顎角は下顎体と下顎枝が交わる角の部分で、美容などの観点から「エラ」とも呼ばれる重要な部位です。顎角点と呼ばれる特徴的な点は、この二つの部分の角度を示します。年齢や性別によっても角度は異なり、平均的には約120°の鈍角を形成します。この角度によって顔つきが大きく変わるため、美容整形の際には注目されるポイントでもあります。

下顎骨に関する手術

美容整形において、下顎角形成術が行われることがあります。この手術は、下顎角の外側下方の突出を改善することを目的としており、場合によっては開口障害の治療にも使われます。手術では、下顎角の形状を削ったり、切り取ったりすることで、外見や機能を調整します。

まとめ

下顎骨は、その複雑な構造と機能により、私たちの食事やコミュニケーションに不可欠な役割を持っています。また、その形状や発達は個々の特徴を形成する上で重要です。医療や美容の分野で関心を集めている下顎骨について理解を深めることは、健康的な生活を送る上で大変意義があります。

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