不利逃避

不利逃避（ふりとうひ）

不利逃避とは、詰将棋の一手段のことで、攻め側に自らの駒をわざと取らせることで、玉側が有利になる手法を指します。通常、将棋において敵に駒を取られることは不利とされますが、特定の状況下ではこれを利用して相手の攻撃を防ぎ、自らの局面を有利に進めることができます。具体的には、該当する駒が別の駒の邪魔をしている状況や、取られない場合と比べ、取られることで戦局が有利になる場合にこの技術が有効となります。これによって、玉方は選択肢を持ち、正しい手を選ぶことが求められます。

不利逃避の原理

不利逃避は主に三つのカテゴリーに分けることができます。これには、玉方の駒の支障の除去、攻め方の駒の支障の除去、さらにはいずれ取られる駒を先に取らせる手法があります。これにより、盤上の状況を巧妙に操ることが可能となります。

1. 玉方の駒の支障の除去

玉方の駒が相手の攻撃に対して障害となっている場合、これを取り除くことが重要です。例えば、盤上にいる玉が逃げ道を失い、攻め側の駒が強力になる状況では、玉方は自らを守るための手を講じなければなりません。すなわち、例えばある局面で玉方が玉の逃げ道を拡大させるために、自らの駒を取らせることが不利逃避の一例です。

2. 攻め方の駒の支障の除去

相手の駒が攻撃を強化している場合には、それを逆手に取り、相手が自らの駒を取らざるをえない状況を作ることが重要です。このようにすることで、攻め方は持駒を有効に活用できなくなり、攻撃力を低下させます。また、打ち歩詰めのような局面に発展させることで、相手に見えない形でプレッシャーをかけることができます。

3. いずれ取られる駒を先に取らせる

局面によっては、先に取られる運命にある駒を相手に取らせることで、自らの戦略を前進させる方法もあります。この技術は局面を操作する上で非常に重要であり、特定の手順を踏むことで、相手の攻撃を無駄にさせることが可能です。

具体例

ある詰将棋の局面において、攻め方が自らの駒を取らせることで金や銀といった重要な駒の機能を抑制し、最終的な勝利へと繋がる場面がよく見受けられます。また、玉方が相手の駒を取らせることで、相手が次にどのように行動するかを見越し、次なる一手を決めることもできます。

結論

不利逃避は、詰将棋における戦術的な選択肢であり、攻撃のみならず防御の観点からも重要です。相手の思考を読み、自らの局面を有利に進めるための技術を磨くことは、将棋を楽しむ上で非常に価値が高いと言えるでしょう。

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