不動川 (京都府)

不動川の概要

不動川（ふどうがわ）は、京都府木津川市山城町を流れる一級河川で、淀川系の支流となっています。この川は、全長6キロメートルで、上流部には洪水堆積物があり、下流部ではレンズ状の堆積物が見受けられます。不動川は木津川流域で最大の天井川であり、その特徴的な河床の高さや幅が注目されています。

地理的特徴

不動川の河床は、一般に45メートルの幅を持ち、高さは約15メートルで、川幅は5メートル程です。その堆積物には花崗岩の風化した砂が含まれており、自然の美しさを感じさせます。上流では、降雨後の平水時に地上水が存在し、川幅6メートルの中を水が樹枝状に流れる様子が観察されます。流れの幅は10〜20センチメートルで、深さは約10センチほどです。

不動川の歴史

不動川に関する歴史は、奈良や京都の造営に伴い、多くの木が伐採されたこと、さらには花崗岩の地質によって周辺の山々が裸地化してしまっていたことに起因しています。1684年（貞享元年）には「北山川」と呼ばれていた記録も残っており、木津川市指定の文化財である『平尾絵図』には、不動側の河床が田畑よりも約18メートル高かったという記述があります。

17世紀後半には、土砂留工事や山の補修が行われましたが、木津川やその支流への土砂流入が続き、河床は上昇を続けた結果として不動川は天井川となりました。この天井川化は江戸時代初期から顕著になり、約150年の間で進行したと考えられています。

1953年8月14日には、豪雨が原因で不動川が5か所で決壊し、周辺地域に深刻な影響をもたらしました。この水害は「南山城水害」として語り継がれており、不動川周辺だけでなく南山城の各地域にも大きな被害をもたらしました。特に、決壊によって不動川の河床下を通る不動川トンネルが土砂で埋まり、国鉄奈良線が不通となった事例は、非常に影響の大きいものでした。

現代の不動川

不動川は、こうした歴史を背景に持っており、今でもその姿を保っています。また、不動川に関連する同様の河川として草津川があります。草津川では天井川対策のため下流部が新しい流路に付け替えられました。これらの歴史的背景や自然環境の変遷を知ることで、不動川の重要性や魅力を再認識することができるでしょう。

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