不思議な手品のように

新田恵利の3枚目のシングル「不思議な手品のように」は、1986年8月1日、キャニオンレコードから発売されました。この楽曲は、彼女がおニャン子クラブに所属していた最後のシングルとして、ファンの間で特別な意味を持っています。

作曲と編曲を手掛けたのは、後藤次利氏です。彼は、この曲について「新田恵利さんの声質を生かすため、ブレスの少ないメロディーを意識した」とコメントしています。この言葉からも、楽曲制作において、新田恵利さんの声質を最大限に活かすことに重点が置かれていたことが分かります。伸びやかで透き通るような彼女の歌声と、後藤次利氏のメロディーが見事に融合した、聴き応えのある一曲と言えるでしょう。

カップリング曲には「星の手紙」が収録されています。作詞は両楽曲とも秋元康氏、作曲・編曲は「星の手紙」が佐藤準氏と、豪華な制作陣が参加していることも特徴です。「不思議な手品のように」が、どこか神秘的で、軽やかな印象を与えるのに対し、「星の手紙」はより落ち着いた、しっとりとしたメロディーが印象的です。この対照的な二曲を収録することで、シングル全体の幅を広げ、新田恵利さんの多様な表現力を見事に示しています。

「不思議な手品のように」は、その後、数多くのアルバムに収録されました。『E-AREA』では、アルバムバージョンを含む形で収録され、『新田恵利 SINGLES コンプリート』をはじめとするベストアルバムにも網羅されています。『Myこれ!クション 新田恵利BEST2』『Myこれ!Lite 新田恵利』『スーパーベスト』『おニャン子クラブA面コレクション Vol.2』『おニャン子クラブB面コレクション Vol.2』など、様々なベスト盤に収録されていることは、この楽曲がいかに高く評価され、長く愛されているかを物語っています。これらのアルバムを通して、多くのリスナーが「不思議な手品のように」に触れ、その魅力を再発見し続けているのでしょう。

「不思議な手品のように」は、単なるアイドルソングの枠を超えた、普遍的な魅力を持つ楽曲と言えるでしょう。新田恵利さんの歌声、後藤次利氏のメロディー、そして秋元康氏の歌詞が三位一体となって作り上げた、完成度の高い作品は、時代を超えて聴く人の心を捉え続ける、名曲として記憶されています。当時を知る世代はもちろん、初めて聴く若い世代にも、その魅力が伝わる、そんな普遍性を持った楽曲として、これからも多くの人に愛され続けることでしょう。

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