不整合 (地質学)

不整合の概要と分類

不整合（ふせいごう、英: unconformity）は、地質学において、異なる堆積層の間に時間的な連続が存在しない状態を指します。この概念は、地層の形成プロセスや侵食、堆積の中断などの地質的事象によって影響を受けます。逆に、時間的に連続している関係を整合（conformity）と呼び、同じ層内の変化を示します。

不整合の存在は、地質境界の一つとして位置づけられ、地層間の関係や過去の地質的事象の理解に寄与します。特に不整合面と呼ばれる層間の境界は、地質構造を解明する上で非常に重要な情報を提供します。

不整合の分類

不整合は、その特徴に応じていくつかの種類に分類されます。主な分類は以下の通りです。

1. 傾斜不整合（Angular Unconformity）

傾斜不整合は、下に位置する層が傾斜または褶曲している一方で、上に堆積した層が水平に形成されている状態です。ここでは、下位層が堆積した後に地殻が変動し、侵食を受け、再び沈降することによって上位層が形成されます。この不整合面は、通常は直線的ではなく、侵食の影響を受けた形状を持つことが一般的です。

2. 非整合（Disconformity）

非整合は、上下の不整合面に地質的な違いが存在しないものの、時間的な連続が途切れている状態を指します。この場合も、不整合面はしばしば直線的でない場合が多く、周囲の地層との関係が密接です。

3. 平行不整合（Paraconformity）

平行不整合は、上下の層が共に水平に堆積しているため、一見整合関係に見える状況を指します。しかし、放射年代測定や化石分析によって実際には不整合であることが判明することがあります。これにより、平行不整合は不整合の一形態として特別に定義されます。

4. 無整合（Nonconformity）

無整合は、本来ならば整合の関係にあるべき下位層が火成岩で、上位層が堆積岩で形成されている状態を指します。この状態では、間に時間的な隙間が存在し、たとえば花崗岩の上に変成作用を受けていない石灰岩が堆積する場合などが該当します。

不整合の地質学的意義

不整合の存在は、過去において複数の地質事象が連続して発生していたことを示す重要な手がかりとなります。これらの不整合は、地質学的研究において、地層の認識や地域の地質的特徴を理解する基準として活用されます。

また、かつては地向斜理論に基づく研究が盛んであり、特に傾斜不整合が造山史の構築において重要視されました。このように、不整合は単なる地質的境界にとどまらず、過去の活動や環境変化を紐解くカギとなる要素です。

不整合を適切に理解し、分類することで、地質学者は地域ごとの地質的変遷や歴史をより正確に把握できるのです。

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