不死鳥伝説

不死鳥伝説 - 山口百恵のアルバム

『不死鳥伝説』（フェニックスでんせつ）は、1970年代後半から1980年代にかけての日本の音楽界において輝かしいキャリアを持つ山口百恵の21枚目のスタジオアルバムです。このアルバムは1980年8月21日にCBSソニーからリリースされました。百恵はこの年に引退することが決まっており、その決断を反映した感傷的な作品としても知られています。

アルバムの背景と制作経緯

このアルバムの発売にあたり、帯には「蘇ると約束するわ 心だけは永遠の生きもの…」という印象的なコピーが印刷されていました。このアルバムは、百恵の最後の舞台である「百恵ちゃんまつり」（新宿コマ劇場）のオリジナルミュージカル、「不死鳥伝説」のために制作されたものです。脚本を手掛けたのは阿木燿子で、歌詞カードには物語のあらすじも記載されています。

ミュージカルの内容

「不死鳥伝説」で描かれているのは、1980年から19年後の未来に起こる人類滅亡の危機です。この危機に立ち向かうために、百恵が演じる救世主が登場し、世界を救うというストーリーが展開されます。このプロットは『ノストラダムスの大予言』にインスパイアされたもので、独自の魅力を放つ物語となっています。

アルバムはLP形式でリリースされており、2枚組の仕様となっていますが、特に4面目（2枚目のB面）には音楽が収録されていません。その部分には百恵の直筆サインが刻まれており、ファンにとっては特別な価値を持つ部分となっています。また、カセットバージョンはミュージカルの曲順に合わせて収録されているため、LPとは異なる構成になっています。

復刻版とマスタリング

『不死鳥伝説』は、2003年6月4日にリリースされた全オリジナルアルバム22枚を復刻したCD-BOX『MOMOE PREMIUM』に含まれ、リマスタリングされた音源が収録されています。また、2007年9月30日には、さらに高品質のマスターサウンドが施された『Complete MOMOE PREMIUM』も市場に登場しました。

音楽的評価と影響

このアルバムに収められた楽曲は、百恵の歌声と情感豊かな表現によって、多くのリスナーに深い感動を与えました。特に最後のスタジオアルバムということで、彼女の音楽界からの引退を惜しむファンが多かったため、その影響力はさらに大きいものでした。

このように『不死鳥伝説』は、音楽作品としてだけでなく、一つの物語を語る重要な作品でもあります。百恵の歌声の背後には、彼女自身の人生とキャリアの集大成も含まれており、聴く人々に強いメッセージを伝えています。

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