不破央

不破 央（ふわ ひさし）の軌跡

不破央は1968年10月22日に静岡県富士市で生まれ、元競泳選手として知られています。彼は特に100m平泳ぎにおいて日本記録を保持していた実績があります。競泳選手としてのキャリアは日本大学経済学部卒業後も続き、春日部共栄高校から日本大学、さらには山形富士通まで現役で活躍しました。特に中学生時代にはスポーツクラブNASに所属し、日本選手権で2度も優勝するなど、優れた成績を残しました。

彼のキャリアは、青年海外協力隊として中米グアテマラに派遣され、水泳の普及活動や選手の育成に取り組んだことで新たなステージに移ります。帰国後、不破は演劇の世界に進出し、自身のやりたい演劇表現を模索しました。そんな中、「クラウン」の表現方法に触れ、それが後の活動に大きな影響を与えることとなります。

技術向上のために参加した多くのワークショップやアメリカでのキャンプでの経験を経て、彼は水泳とクラウンを融合させたパフォーマンスチーム「トゥリトネス」を設立しました。1998年にはテレビ朝日の特集「水の道化師」で彼の活動が紹介され、一気に注目を浴びることとなります。彼の演目はアーティスティックスイミングをはじめ、後ろに進むクロールなどの非伝統的な泳法や、男性パフォーマーによるアクロバティックな技が含まれ、観客を楽しませています。

不破が演じるキャラクター「おーちゃん」の名前は、あるテレビ番組で山本寛斎氏との共演時に由来しています。「君の名前は『おう』と読むね」とのアドバイスから、国際的にも発音しやすい名前を選んだ結果だと言われています。

また、不破は映画『ウォーターボーイズ』やテレビドラマシリーズ『WATER BOYS』においてシンクロ水泳の指導を務め、演じる際には「ひょうきんさ」を抑え、厳しい指導者として振る舞いました。ウォーターパフォーマンスの普及と安全対策の啓発を目的として「日本ダンススイミング協会」を設立し、会長職に就任。彼は17年以上にもわたってダンススイミングフェスティバルを開催し、全国から多くのチームが参加しています。

さらには、シンクロ日本代表の表現指導コーチとして海外からも高く評価される演出を手掛けた不破は、2018年には「トゥリトネススイミング有明」を開業し、経営や指導、選手育成に力を注いでいます。自身のデザインセンスを活かし、トゥリトネスに関連するすべてのデザインも手掛けています。

そして活動26年目を迎える2024年12月31日には、パフォーマーとしての引退を発表。引退に向けての道のりは映像ディレクターの竹内佳嗣氏が密着取材し、ドキュメンタリー映画として制作されています。現在、制作費のクラウドファンディングも実施中です。彼のはとこには元陸上競技100mの日本記録保持者、不破弘樹がいます。

不破央の著書には、『ドラえもんの体育おもしろ攻略「水泳がみるみる上達する」』（小学館）、『必ずうまくなる水泳「基本と練習法」』（コズミック出版）、および『よくわかるDVDシリーズ「水泳の指導法がわかる本」』（小学館）があり、水泳に関連した知識を広める努力も続けています。

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