与板城 (戦国時代)

与板城の歴史と概要

与板城（よいたじょう）は、現在の新潟県長岡市与板町にあたる地域に位置する日本の城であり、県に指定された歴史的な史跡です。この城は、越後国古志郡（後の三島郡）に存在したもので、中世の頃に直江家の居城として築かれました。

中世の与板城

与板城の歴史は、直江家の家臣である長尾家に関連しており、もともとは2キロほど離れた本与板城を拠点としていました。しかし、天正の時代に直江景綱の指導のもと、与板城が築かれ、本与板城から移転した経緯があります。本与板城がその後すぐに廃城となったのか、しばらく使用され続けたのかは不明です。

城の管理者であった信綱の代において、与板城は重要な役割を果たしました。当時勃発していた御館の乱では、直江家は景勝を支持し、同じく景勝派に属していた黒滝城の山岸光祐や赤田城の斎藤朝信とともに、敵勢力である景虎派の本庄秀綱とその陣地である栃尾城に対する防衛や攻撃を行いました。この乱の中で、信綱は恩賞に対する不満から毛利秀広に春日山城で命を奪われてしまいます。直江家は嫡子を有していなかったため、この時点で一度は家系が途絶える危機に直面しましたが、上杉景勝の支援によって樋口兼続が未亡人であるお船の方と結婚することで家名は存続することができました。その結果、与板城は再び直江家の居城として利用されることとなりました。

与板城の廃城と遺構

慶長3年（1598年）、上杉家が会津に転封となった際、与板城はまたもや廃城となりました。現在では、その面影を残すいくつかの遺構が存在しています。具体的には、城内の曲輪跡や堀切、土塁、井戸跡、さらにはお船の方が使用した清水（おせん清水）などが確認できます。これらの遺構は、当時の城の様子を物語っており、多くの見学者にとって興味深いスポットとなっています。

近世の与板城

与板城は、その後与板陣屋に転用されるなど、時代の変遷に伴って役割を変えていきました。現在も与板城は、歴史的な価値を持つ遺跡として訪れる人々を魅了しています。さらに、歴史の中で直江家が果たした役割や、与板城が生きた時代に思いを馳せることができる貴重な場所でもあります。歴史を学びたい方や、城跡巡りを楽しむ方にとってこの地域は魅力的なスポットとなっているのです。

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