世田谷区立用賀中学校

世田谷区立用賀中学校

世田谷区立用賀中学校（せたがやくりつようがちゅうがっこう）は、東京都世田谷区上用賀に所在する公立の中学校です。この学校は、生徒たちの多様な活動が奨励されており、特に部活動や生徒会活動において顕著な特徴を持っています。

学校の特色

用賀中学校は、教育活動全体が生徒たちの自主性や活力を育む方向で展開されています。特に部活動への取り組みは熱心で、多くの生徒が参加し、目覚ましい成果を上げています。例えば、陸上競技部は、地域の大会である世田谷区陸上大会において、過去に5年連続で優勝を飾るという輝かしい記録を持っています。

サッカー部もまた、長い歴史の中で優れた成績を残しています。東京都中学校体育連盟主催の選手権大会では、1973年度（第26回大会）から1975年度（第28回大会）にかけて、前例のない3年連続優勝という偉業を達成しました。さらに、その前年である1972年度（第25回大会）でも決勝に進出しており、記録が確認できる限りでは、4年連続で決勝戦の舞台に立った中学校は他に例がなく、これは本校のサッカー部が持つ最多記録となっています。

生徒会活動も非常に活発で、生徒たち自身の手による様々な改革が推進されてきました。かつては生徒会ロゴの刷新など、組織のモダン化も図られました。中でも、環境問題への意識は高く、学校内に緑のカーテンを設置したり、連携する近隣の小学校と協力して植樹プロジェクトを実施するなど、先進的な取り組みを積極的に行いました。これらの活動は高く評価され、世田谷区から表彰されるに至っています。また、同時期には生徒の意見をより反映させるための仕組みとして意見箱が導入され、生徒の声が学校運営に届きやすくなりました。こうした生徒会主導の活動の成果の一つとして、新しいデザインの制服が採用されています。

学校のクラス編成は、かつてはアルファベットでA組からF組までの6クラスが存在していました。しかし、社会情勢の変化に伴う少子化や、中学受験を選択する児童の増加などの影響を受け、生徒数は減少傾向にあります。現在はD組までの4クラス編成が基本となっています。このため、校舎内には使用されていない空き教室が複数存在しており、これらは有効に活用されています。具体的には、更衣室、図書室、多目的室、倉庫、視聴覚室、PTA室、進路相談室、教材室など、学校生活に必要な様々なスペースとして転用されています。ただし、2013年度からは新入生数の増加により5クラス編成（E組の追加）となり、それに伴い倉庫として利用されていた空き教室の一つが再び教室として使用されています。

校舎の配置としては、校舎棟が北側に、体育館が西側に位置しています。校舎と体育館の間は「空中廊下」と呼ばれる渡り廊下で結ばれており、生徒は雨天時などでも屋外に出ることなく安全に移動できます。体育館には付帯施設として、武道に使用される格技室や、多様な目的に使われる特別活動室（特活室）が設けられています。この特活室は、講演会や集会、吹奏楽部の練習場所として利用されるほか、地域の投票所として国政選挙や地方選挙の際に使用されることもあります。

また、学校施設の特徴として、テニスコートが都内の公立中学校としては珍しいオムニコート（砂入り人工芝）であることが挙げられます。このテニスコートは、けやきネットという予約システムを通じて、学校関係者以外も利用できる場合があります。

近年では、学校施設の有効活用も進んでいます。2011年度からは、かつて美術室や被服室として使用されていた教室スペースを利用して保育園が開園しました。校舎と保育園の間は非常扉一枚で隔てられていますが、通常時は相互に行き来することはできません。

沿革

世田谷区立用賀中学校は、以下の主要な経緯をたどって現在に至ります。

1959年4月1日 - 世田谷区立瀬田中学校から分離する形で開校しました。
1959年4月8日 - 最初の入学式が挙行され、149名の新入生を迎え入れました。
1959年10月15日 - 開校を正式に祝う式典が執り行われ、この時に校歌と校旗が制定されました。
1961年6月29日 - 体育館が完成し、その落成式が行われました。
1964年3月31日 - プール施設が完成しました。
1975年2月25日 - 新しい校舎の建設が始まり、第一期工事が竣工しました。
1976年8月1日 - 新校舎の第二期工事が竣工しました。
1977年3月9日 - 新校舎全体の完成を祝う落成式が盛大に行われました。
1980年3月31日 - 硬式テニスコート施設が完成しました。

アクセス

東急田園都市線 用賀駅から徒歩でおおよそ15分の距離に位置しています。
東急バスを利用する場合は、「用賀中前」または「砧公園緑地前」の各バス停から徒歩約2分で到着できます。

主な卒業生

様々な分野で活躍する著名な卒業生を輩出しています。

田嶋幸三 - 日本サッカー協会副会長、アジアサッカー連盟（AFC）理事
乙武洋匡 - 作家、『五体不満足』著者、元スポーツライター
小川ローザ - モデル
柳樂祐里 - 柔道選手
高橋建登 - サッカーを中心に、野球など様々なスポーツの通訳として国際的に活躍

関連項目

東京都中学校一覧

外部リンク

世田谷区立用賀中学校 公式サイト

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