世界動物園水族館協会

世界動物園水族館協会（WAZA: World Association of Zoos and Aquariums）は、世界中の動物園と水族館が加盟する国際的な非営利組織です。1935年に設立され、スイスのグランに本部を置いています。

WAZAの目的は、加盟施設間の連携強化を通じて、動物園・水族館における動物福祉の向上、野生動物保全への貢献、そして教育普及活動の促進にあります。具体的には、動物飼育管理に関する国際基準の策定、絶滅危惧種の保全プログラムへの協力、研究活動の支援、そして一般への啓発活動など多岐にわたる活動を行っています。

WAZAには、世界各国から多くの動物園・水族館が加盟しており、そのネットワークは地球規模に広がっています。アメリカ動物園水族館協会（AZA）、ヨーロッパ動物園・水族館協会（EAZA）といった地域団体もWAZAと連携して活動しています。これらの地域団体は、それぞれの地域特有の課題に対応しながら、WAZAの国際的な取り組みを支援しています。

日本からも多くの動物園・水族館がWAZAに加盟しています。具体的には、日本動物園水族館協会をはじめ、恩賜上野動物園、多摩動物公園、横浜市緑の協会、大阪市天王寺動物園、東山動植物園、ふくしま海洋科学館、千葉市動物公園、京都市動物園、埼玉県こども動物自然公園、豊橋総合動植物公園など、国内を代表する施設が名を連ねています。これらの施設は、WAZAを通じて国際的な情報交換や連携を行い、動物福祉の向上や保全活動に貢献しています。

WAZAの活動は、動物の飼育管理方法の改善にとどまりません。絶滅危惧種の保全のための繁殖プログラムや、野生動物の生息地保護のための支援、地域社会との連携による保全教育など、多様な取り組みが展開されています。これらの活動を通して、WAZAは野生動物の保全に大きく貢献しています。

また、WAZAは、動物研究の倫理的な実施についても指針を策定しています。これは、動物研究を行う上での倫理的な配慮を明確にすることで、動物福祉の向上と科学研究の両立を目指したものです。佐藤義明氏と友永雅己氏による論文「世界動物園水族館協会(WAZA)による「動物園・水族館による動物研究の実施に関する倫理指針」について(翻訳)」では、この指針の内容が詳細に解説されています。

WAZAの活動は、単なる動物園・水族館の国際組織という枠を超え、地球規模の生物多様性保全に貢献する重要な役割を担っています。今後、ますます重要性が増すであろう野生動物保全において、WAZAの果たす役割は非常に大きいと言えるでしょう。

WAZAの公式サイト（フランス語、英語、スペイン語）では、より詳細な情報を得ることができます。

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