世界寄付指数

世界寄付指数：世界の寛大さを測る指標

世界寄付指数（World Giving Index、WGI）は、イギリスの慈善団体Charities Aid Foundation（CAF）とアメリカの世論調査企業ギャラップ社が共同で発表している、人々の寛大さを示す指標です。2010年から毎年発表されており、世界各国の国民がどれだけ他人を助ける行動を取っているかを測ることで、国際的な比較を可能にしています。

指数の算出方法

WGIは、主に以下の3つの行動について、世界各国の国民を対象としたアンケート調査に基づいて算出されます。

1. 他人への援助: 見知らぬ人や困っている人を助けた経験があるか。
2. 寄付: 宗教団体、政治団体、慈善団体などに寄付を行ったことがあるか。
3. ボランティア: 組織的なボランティア活動に参加した経験があるか。

これらの項目への回答結果を集計・分析し、指数化することで、各国の寛大さの度合いを比較しています。数値が高いほど、国民の他者への援助や寄付、ボランティア参加といった行動が活発であることを示します。

主要な発表年と結果

WGIは毎年発表されており、発表年によって調査対象国数や順位に変動があります。例えば、2014年版では、135カ国を対象とした調査でアメリカとミャンマーがトップとなりました。注目すべきは、G20諸国の上位20位にランクインしたのはわずか5ヶ国だったことです。これは、経済的に豊かな国々が必ずしも寛大であるとは限らないことを示唆しています。

2013年版についても同様の調査が行われ、上位20ヶ国のランキングが発表されました。これらのランキングは、各国間の寛大さの度合いを比較する上で重要な指標となります。

日本の順位と課題

日本のWGIにおける順位は、近年低迷しています。2014年時点では90位（指数26%）と、東アジア・東南アジア・南アジア諸国の中でも低い順位でした。2018年にはさらに順位を落とし、144カ国中99位となりました。人助け指数に至っては142位とワースト3位にランクインするなど、深刻な状況が浮き彫りになっています。2020年には114位にまで順位を下げています。

これらの結果から、日本における他者への援助、寄付、ボランティア活動への関心の低さが懸念されます。国際社会との比較を通して、日本の慈善活動の活性化に向けた取り組みが求められています。

WGIの意義

WGIは、各国の国民の寛大さの度合いを数値化し、国際比較を可能にすることで、各国政府や市民社会団体にとって貴重な情報源となります。この指数を活用することで、慈善活動の促進策の検討や、社会全体の意識改革に繋がる可能性があります。また、国際協力の推進や、グローバルな社会課題解決への貢献にも繋がる重要な指標と言えるでしょう。WGIのデータは、社会全体の幸福度や社会資本といった側面にも影響を与える可能性があり、継続的なモニタリングと分析が重要です。

今後の展望

WGIは、今後も継続して発表されることが予想されます。その動向を注視することで、世界各国の寛大さの変化や、慈善活動の現状を理解することができます。特に、日本の順位の改善に向けた取り組みの進捗状況をモニタリングすることは、国民の意識改革や社会全体の活性化に大きく貢献するでしょう。

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