世界少女小説全集

世界少女小説全集：少女たちの心を掴んだ25冊の世界

1957年から1958年にかけて、講談社より刊行された『世界少女小説全集』は、少女小説ファンにとって垂涎の的となる、貴重な叢書です。豪華な箱入りのハードカバー、全25巻というスケールの大きさは、当時の少女たちの心を掴んで離さなかったことでしょう。

監修には、翻訳家としても知られる村岡花子氏と那須辰造氏が名を連ねています。両氏の深い知識と経験が、この全集の質の高さを支えています。選りすぐりの世界各国を代表する名作が収録されている点は、この全集の大きな魅力です。

収録作品は、バレエを題材にしたノエル・ストリートフィールドの『バレー・シューズ』、ドイツの家庭小説の傑作であるエミー・ローデンの『イルゼの幸福』など、多様な国と作家の作品から構成されています。

主な収録作品

『バレー・シューズ』 (ノエル・ストリートフィールド): バレエダンサーを夢見る少女たちの物語。
『イルゼの幸福』(エミー・ローデン): 個性的な少女イルゼの成長を描くドイツの家庭小説。
『愛の天使たち』(ヘレン・ボイルストン): 看護学生の青春を描いた作品。
『銀翼の少女』(ヘレン・ウェルズ): 空を駆ける少女の冒険物語。
『森の乙女』(ジーン・ポーター): 自然豊かな森を舞台にした少女の物語。
『探偵少女ナンシー』(キャロリン・キーン): 知的な少女探偵の活躍を描くシリーズの一作。
『友情の小枝』(リュボーフィ・ヴォロンコーワ): 心温まる友情を描いた作品。
『かもめ隊の少女』(G・トウードウーズ): 第一次世界大戦を背景にした少女の物語。
『ポリーのねがい』(マーガレット・シドニー): ポリーという少女の願いを丁寧に描いた作品。
『難破船のきょうだい』(ジョセフ・シャカン＆A・ファブル): 海難事故を生き延びた兄妹の物語。
『探偵少女ジュディー』(マーガレット・サットン): もう一人の少女探偵の活躍。
『マリーナのバイオリン』(E・エムデン): バイオリンを愛する少女の物語。
『クリスチーヌの冒険』(O・ボーケール): 冒険に満ちた少女の物語。
『かたみの小箱』(I・タイツ): 謎めいた小箱を巡る物語。
『サハラの娘』(A・P＝マルモント): サハラ砂漠を舞台にした少女の物語。
『オルコットの花物語』(ルイザ・メイ・オルコット): 花をテーマにした物語。
『少女記者バルバラ』(エヴァ＝マリア・コカンケ): ジャーナリストとして活躍する少女の物語。
『愛の学級』(イリーナ・カルナウーホワ): 学校を舞台にした物語。
『愛の家族』(ギェムス・セルマー): 家族の温かさを描いた物語。
『銀幕の少女』(レフ・カッシーリ): 映画を題材にした物語。
『山の少女アン』(ジュヌビエーブ・フォックス): 山の暮らしを背景にした少女の物語。
『王女カリディア』(アンドレ・ドメゾーン): 王室を舞台にした物語。
『銀の指ぬき』(エリザベス・エンライト): 指ぬきをテーマにした物語。
『美しいローレット』(ディエレット): 美しい少女の物語。
* 『ローズマリの秘密』(ベティ・B・アンダーソン): 少女の秘密を描いた物語。

これらの作品は、単なる娯楽作品にとどまらず、それぞれの国の文化や社会背景、そして少女たちの成長や葛藤を繊細に描き出しています。翻訳の質も高く、当時の少女たちに世界を広げる機会を提供したと言えるでしょう。

現在では入手困難な『世界少女小説全集』ですが、その存在は、少女小説の歴史において、重要な位置を占めていると言えるでしょう。 当時の少女たちが夢中になった世界を、今一度振り返ってみるのも良いかもしれません。

もう一度検索