世界平和国会議員連合

世界平和国会議員連合の概要

世界平和国会議員連合（IAPP）は、2016年に設立された国際的な政治団体で、各国の国会議員から構成されています。元々、世界平和統一家庭連合（旧統一教会）の関連組織である天宙平和連合（UPF）がその創設を推進しました。その設立目的は表向きは「平和運動」とされていますが、流出した内部文書によると、韓鶴子統一教会総裁の意向を受け、2020年までに統一教会を世界の7か国で国教化する計画があったとされます。その中には日本も含まれています。

設立の背景

IAPPは2016年2月15日、韓国の国会会館で発起人大会により正式に発足しました。約40か国から100人を超える議員が参加し、平和推進の意志を示しました。設立後は各国でさまざまな会議が行われ、国際的なネットワークを形成。具体的には、ネパール、ブルキナファソ、イギリス、コスタリカ、パラグアイ、ザンビアなどで大会が次々と開催され、議員連合の組織が確立されていきました。

12月にはワシントンD.C.で北米大会が開催され、アメリカの議員も多数参加しました。これらの大会では、韓鶴子総裁による基調講演が行われ、宗教的な教義や活動の推進が図られました。

日本における進展

日本では、2016年11月17日に参議院議員会館で「日本・世界平和議員連合」が設立されました。この団体はIAPPの日本支部として機能し、その初回大会には当時の行政役職にあった63名の国会議員が参加しました。この数字は、過去の軍団体における出席者数を大きく上回るもので、特に注目されるべき点です。最初の会長には大野功統元防衛庁長官が就任しましたが、その後原田義昭元環境相に交代しています。

2021年には、衆議院第一議員会館で初回総会が開かれ、自民党の国会議員が20名参加するなど、組織の影響力が増していることが窺えます。このような活動は、日本国内における統一教会の影響力を示すものであり、その活動は敏感な宗教問題とも関連しています。

日本・世界平和議員連合懇談会の設立

2020年には、IAPPの日本支部として「日本・世界平和議員連合懇談会」が立ち上がりました。初代会長は大野功統が務め、国際勝共連合の会長・梶栗正義が顧問に就任しました。2021年には原田義昭が会長に、細田博之が名誉会長に選ばれ、組織内での重要な役職が明確化されました。

しかし、2022年8月に岸田文雄総理が教団との関係を断つ意向を示したことを受け、この懇談会は解散しました。この決定は、日本国内における統一教会への政治的関与に大きな波紋を呼んでいます。

終わりに

世界平和国会議員連合は、平和を訴える声を大にしながら、その実態が特定の宗教体制の促進に向けたものであることが指摘されています。今後の動向に留意し、その影響力についての理解を深めることが重要です。

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