世界日報 (日本)

世界日報の概要

世界日報（せかいにっぽう）は、東京都中央区日本橋茅場町に本社を置く世界日報社が発行する日本の総合日刊紙です。1975年1月1日に創刊され、主として関東地方と沖縄県を配布地域としています。また、世界日報社は1991年に全国向け週刊紙『Sunday世界日報』、さらに月刊紙『ビューポイント』も発行しています。2000年には、商用の総合日刊紙として日本で初めて電子新聞サービスを開始し、これらの媒体は電子版でも提供されています。2023年10月1日からは日曜が休刊となり、週6日発行となりました。

創刊の背景

この新聞は文鮮明の指示を受け、統一教会と国際勝共連合の出資により創刊されました。文は「思想新聞を日刊化しなければ、日本の復帰計画は果たされない」と言及し、日本国内で初の統一教会による日刊紙の発行を決定しました。創刊当初は無料配布されており、当初の購読者は信者や原理研究会の学生が多くを占めていたとされています。

発行の歴史

創刊から間もない1975年には、約30万部の公称部数があったものの、その後は部数が減少し、実際の売上は10万部程度でした。広告主の中には政治家が多く、政治家の名刺広告の掲載が「権威付け」に利用され、1970年代には特に石原慎太郎が統一教会との関係が強かったことが知られています。世界日報社の社員は1983年まで統一教会の信者ばかりで、経営は慢性的な赤字に悩まされ、補填を受けていました。

メディア戦略と論調

世界日報の論調は親米保守・反共主義であり、特に国内外の政治や国際情勢に関する記事は強硬路線を示します。この新聞は、共産主義を批判し、保守派のジャーナリズムとしての役割を果たしています。また、アメリカ合衆国の政治に対しては共和党を支持する一方で、民主党はしばしば批判の対象となっています。

国内の情勢報道においては、政治や経済などの側面を強調しながら、一般的な事件報道は少ない傾向にあります。世界日報社は時事通信社などからニュースを供給され、それに基づいて紙面が構成されています。

教育や社会問題へのアプローチ

教育問題についても独自の立場を打ち出し、例えば、過激な性教育に対しては反対の姿勢を示し、家庭の価値観を重視する内容が多く見られます。さらに、文部科学省から配布される道徳教材の利用状況を調査し、その結果を公表することで社会問題を提起しています。

世界日報と他のメディア

海外メディアとの提携も行っており、韓国の全国紙『世界日報（セゲイルボ）』や米国の『ワシントン・タイムズ』といったメディアと連携しています。寄稿者には著名な政治評論家や学者が多く、彼らの見解がしばしば掲載されます。

近年の動向

最近では、教団への批判が強まる中で、反教団的な論調が多く見られるようになっており、それに対抗する形で自らの立場を伝える手段として紙面を活用しています。また、インターネット番組「パトリオットTV」や世日クラブの設立など、新たなコミュニケーション手段を通じて読者との接点を広げています。

まとめ

世界日報は独自の視点から国内外の情報を発信し、特に保守派の視点を重視した論調を展開しています。政治、教育、宗教などさまざまなテーマについての発言権を確保し、保守的な立場からのレポートを続けています。

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