世界病者の日

世界病者の日は、1992年5月13日にヨハネ・パウロ2世によって制定されたカトリック教会の祭日です。1993年2月11日に初めて祝われ、毎年ルルドの聖母の記念日に、病に苦しむ人々とその介護者のために祈りを捧げ、連帯を示す日として定められました。

制定の背景

ヨハネ・パウロ2世自身もパーキンソン病を患っており、その診断からわずか1年後にこの日を制定したことは、深い意味を持っています。教皇は、苦しみを通してキリストと結びつき、苦しみを捧げることの意義について深く考察し、その考えは使徒的書簡『サルビフィチ・ドローリス』にも示されています。

ルルドが選ばれたのは、ルルドの聖母の出現以来、多くの巡礼者が聖母の取りなしによって癒やされてきたという歴史があるからです。教皇自身もルルドを深く敬愛していました。

歴史的な出来事

2005年の世界病者の日は、ヨハネ・パウロ2世が敗血症で亡くなった年であり、特別な意味を持ちました。多くの人々が教皇の死を悼み、その生涯を偲びました。

2013年には、ベネディクト16世がこの日の祭典中に退位を発表し、その理由として健康状態の衰えを挙げました。この出来事は、世界病者の日の意義を改めて人々に認識させることとなりました。

世界病者の日は、病に苦しむ人々だけでなく、その家族、介護者、医療従事者など、すべての人々が互いに支え合い、希望を持って生きることを願う日です。この日を通して、病と向き合いながらも尊厳を保ち、愛と連帯の中で生きる大切さを再確認することができます。

参照

* NACCによる世界病者の日

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