両備線

両備本線について

両備本線（りょうびほんせん）は、かつて国鉄バス及びJRバス中国が運行していた自動車路線です。この路線は、1933年3月に倉敷と茶屋町を結ぶ省営バス「倉敷線」として開業しました。この開業は、岡山県内の鉄道網拡充を目指す鉄道敷設法に基づいたものであり、鉄道線の補完的な役割を果たすことを期待されていました。

歴史的背景

路線が改称されるきっかけとなったのは、1937年3月に倉敷と岡山を結ぶ路線が新たに開通したことによります。この時から「両備線」と名付けられ、その後も発展を続けました。その一方で、民営のバス運行に影響を及ぼすとされる岡山バスなどの公共交通事業者に対しては、損失補償が行われました。

1941年には倉敷と矢掛を結ぶ路線が設けられましたが、第二次世界大戦の影響を受けて以降、省営バスの新規路線展開は貨物輸送の強化にシフトしていくこととなりました。戦後の復興期には動きが停滞していましたが、1952年からは両備バスとの運輸協定を結び、両備バスの倉敷－岡山間への乗り入れが始まりました。

1960年代の変革

1962年には「国鉄自動車の原則」が導入され、国鉄は岡山と九州を結ぶバス路線整備の構想を打ち出しました。その中で、1968年には金光と福山を結ぶ区間が延長され、特急便の運行が開始されました。ですが、計画は難航し、1971年には採算の悪化から一部区間が休止されることになります。その影響で路線名は1975年に「両備線」に戻されました。

経営と運行の変化

1970年代には自動車の普及が進み、バス事業者は経営上の困難に直面しました。このため、本路線でも1974年にはワンマン運行が導入され、効率化が進みました。それでも、1984年には倉敷と岡山間の運行頻度が維持されていました。1986年には新しい仕様の車両が導入され、サービスの向上が図られました。

JR化と廃止

国鉄の分割民営化後、西日本旅客鉄道（JR西日本）を経て中国JRバスが路線を承継しました。しかし、2003年には地域支店の合理化が進み、両備線の大半や茶屋町線が廃止されることとなりました。これにより、岡山県内の一般路線の運行はほぼ両備バスなどの他社に移管され、通学路線も2016年には全て移管される運命を辿りました。

現在の状況

現在、両備本線やその関連路線の運行は停止されており、数少ない路線が他社によって運行されています。地域交通の重要性を再確認する必要性が叫ばれていますが、かつての両備本線のような繁栄した時代は今はもう遥か昔のものとなっています。

両備本線の設立から廃止に至るまでの道のりは、地域交通の変遷とともに多くの思い出と共に歩んできた歴史です。

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