両利き

両利きとは

両利きとは、手や足の器用さ・運動能力が左右どちらかに偏らず、両方を同じように使いこなせる状態を指します。手の場合は「両手利き」、足の場合は「両足利き」と言います。一般的に、人は利き[[手]]や利き足を持つものですが、両利きはそのような偏りがありません。

両利きの種類

両利きには、大きく分けて以下の2つの種類があります。

生まれつき両利き: 生まれつき左右の手足を同程度に使える人。人口の約1%と非常に稀です。
後天的な両利き: 元々は利き[[手]]があったものの、訓練や環境によってもう一方の手も使えるようになった人。左利きを矯正された場合や、仕事やスポーツなどの必要性から身につける場合があります。

また、用途によって使いやすい手が異なる「クロスドミナンス」という状態もあります。例えば、箸は左手で使うが、筆記は右手で行うといったケースです。

両利きに関する道具

日用品の中には、右利き用に設計されたものが多く、左利きの人が不便を感じる場合があります。しかし、近年では、左利き用の道具や、左右どちらの手でも使えるユニバーサルデザインの道具も増えてきています。

両手利きナイフ: 折りたたみ式ナイフの開閉機構とロック機構が左右対称になっているもの。
スピニングリール: 釣り竿に取り付けるリールで、左右どちらでも使えるように交換できるもの。
はさみ: 左利き用や、左右どちらでも使えるユニバーサルデザインのものがあります。

両利きと手書き

歴史上の人物の中には、両手で文字を書けた人が多く存在します。有名な例としては、アルバート・アインシュタイン、ベンジャミン・フランクリン、ニコラ・テスラ、レオナルド・ダ・ヴィンチなどが挙げられます。

インドには、両手で同時に書くことを教えるユニークな学校「ヴィーナ・ヴァンディーニ・スクール」があります。

医学と外科における両利き

米医学誌に掲載された研究によると、「両手が自由に使える両手利きの子供は、右利きあるいは左利きの子供と比べ、小児期に精神衛生、言語、学業上の問題を呈する確率が高い」とされています。

外科医は手術において、左右両方の手で結び目を作る必要があり、ある程度の両手利き能力が求められます。また、利き[[手]]を手術した場合、もう一方の手で日常生活を送る必要があり、両利きであると非常に役立ちます。

音楽における両利き

ベートーヴェンやモーツァルトは両手利きだったと言われています。

ドラム演奏では、スネアドラマー、テナードラマー、バスドラマーはある程度の両利きが必要です。作曲家/編曲者が書いたものに従わなければならないので、右手と左手でダイナミクスとスピードの点で均等に演奏することを学ばなければなりません。

ギタリストの中にも、両手利きを活かして独自の演奏スタイルを確立している人がいます。マイケル・アンジェロは、右利き用と左利き用のギターを両方演奏できます。ジミ・ヘンドリックスは、右利き用のギターを左利き用に構えて演奏することで知られていました。

また、左利きの人が右利き用の楽器を演奏せざるを得ないケースもあります。ヴァイオリン、ビオラ、チェロなどがその例です。

芸術における両利き

絵画や彫刻などの芸術分野では、両手を使うことで表現の幅を広げることができます。レオナルド・ダ・ヴィンチは、幼少期に右手を負傷した後、両手を使うようになったと考えられています。

現代アーティストの中には、両手だけでなく足も使って絵を描く人もいます。

職業における両利き

溶接工や電卓を使う職業など、両利きやクロスドミナンスが有利に働く場合があります。

スポーツにおける両利き

スポーツの世界では、両利きや両足利きであることは、様々な場面で有利に働きます。

野球: スイッチヒッターは、左右どちらの打席でも打つことができ、相手投手に合わせて有利な打席を選ぶことができます。スイッチピッチャーは非常に稀です。
テニス: 利き[[手]]でない方の手が使えれば、バックハンド側のボールに簡単に到達できる可能性があります。両手打ちの選手もいます。
サッカー: どちらの足でもボールを蹴ることができれば、パスやシュートの選択肢が増え、ピッチのどちら側でもプレーできるようになります。
フィギュアスケート: ジャンプとスピンを両方向で行える能力を持っているスケーターはほとんどいません。
武道: 伝統的な武道では、意図的に両手利きを高度に発達させた実践者が多い傾向があります。

まとめ

両利きは、生まれつきの能力である場合と、後天的に身につける場合があります。スポーツ、芸術、医療など、様々な分野でその能力が活かされており、両利きであることは、多くの場面で有利に働きます。

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