両岸経済協力枠組協議

両岸経済協力枠組協議（ECFA）とは

両岸経済協力枠組協議（りょうがんけいざいきょうりょくわくぐみきょうぎ、略称ECFA）は、台湾と中国の間で締結された実質的な自由貿易協定（FTA）です。中台経済協力枠組み協定とも呼ばれます。

ECFA締結の背景

2005年4月、連戦国民党主席が訪中し、胡錦濤中国共産党総書記と会談した際、両岸共同市場を目指すことで合意しました。2009年5月26日には、中台トップ会談で協議開始が合意され、2010年6月29日に中国・重慶市で正式に締結されました。

ECFAは、2008年の総統選で当選した馬英九が目玉政策として掲げたものです。当時、ASEAN地域で巨大な経済圏が築かれつつある一方、台湾は地理的に遠い国としかFTAを結べておらず、経済の孤立化に対する危機感がありました。

ECFAの内容

2010年8月、台湾の立法院で審議が終了し、9月12日に発効しました。中国側が石油化学製品や自動車部品など539品目、台湾側が267品目の合計806品目について、関税が段階的に引き下げられました。

ECFAに対する反対意見

民進党などの野党は、ECFA締結に反対しました。その理由は、台湾が中国に併呑される懸念や、国内の農業や中小企業へのダメージでした。野党は国民投票の実施を主張し、署名活動を展開しました。

ECFA締結後の動き

ECFA締結後、台湾はシンガポールやニュージーランドともFTAを締結しました。また、日本やアメリカなどとのFTA締結にも意欲を示しています。しかし、中国側は台湾との政治協議を開始させ、将来的な国家統一を目指す構えを見せています。

まとめ

ECFAは、台湾経済の発展に寄与する一方、中国との関係を深めることにもつながります。台湾の将来にとって、ECFAは重要な意味を持つと言えるでしょう。

参考資料

交流協会による情報提供（2011年4月22日）
交流2010年7月号（発行交流協会）
中華民国経済部国際貿易局によるQ&A（2009年4月2日）
中華民国・尹啓銘経済部長による説明（2009年3月4日）
台湾のWTO等加盟状況（JERTO）
ASEANのFTA（JETRO、2008年4月作成資料）

関連事項

台湾問題
国共合作
中台関係
ひまわり学生運動
* 海峡両岸サービス貿易協定

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