両角政人

両角 政人(もろずみ まさと)の生涯

両角政人は、1899年に長野県諏訪郡宮川村に生まれた日本の新聞記者であり、スケート指導者として知られています。彼は旧制諏訪中学を卒業後、早稲田大学に進学し、政治経済学部で学びました。在学中、彼は体育会スケート部を創設し、1923年に行われた第1回学生選手権大会の運営にも貢献しました。さらに、1925年には日本学生氷上競技連盟を設立し、学生スケートの発展に尽力しました。

大学生活の中で、両角は学生新聞の編集にも関与し、1926年に政治学科を卒業すると、報知新聞に入社しました。新聞記者としてのキャリアをスタートさせ、運動部の設置に関わることで、報知新聞に新たな風を吹き込むこととなります。その後、報知新聞の運動部長や読売新聞の機報部長などを歴任しながら、スケート界でも影響力を持つ存在となりました。

1929年に発足した日本スケート連盟では、彼は理事として組織運営に携わり、1937年からは理事長に就任するなど、スケートの普及と発展に貢献しました。戦後の1945年には、秋山慶幸と共に日刊スポーツの設立に携わり、その後編集局長を務めました。彼の取り組みと影響力は、スケートだけでなく、スポーツ報道全般にも多大な影響を及ぼしました。

また、彼は1972年に開催された札幌オリンピックの招致にも尽力し、札幌五輪冬季大会組織委員会の東京事務所長を務めました。この役割を通じて、冬季オリンピックの成功を支える重要な立場にありました。さらに、同年に日本アイスホッケー連盟が結成された際には初代会長に選ばれ、その後1985年まで副会長として組織を支えました。

両角はスケート界における功績により、しばしば「モロさん」と親しまれ、スケート関係者から深く信頼される存在でした。彼の生涯においては、1966年に藍綬褒章、1968年に勲四等瑞宝章を受章するなど、多くの栄誉が与えられました。

彼の著書には、「スケート」（不昧堂書店、1959年）や「楽しいスケーティング」（成美堂書店、1966年）があります。これらの著作を通じて、彼はスケートの魅力を広める努力も続けました。

両角政人は1988年に89歳で他界しましたが、彼の功績は今もなお日本のスケート界に息づいており、多くの人々に影響を与え続けています。

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