報知新聞

報知新聞（ほうちしんぶん）について

「報知新聞」は、1872年に創刊され、日本の新聞史において重要な役割を果たした日刊新聞の一つです。元々は「郵便報知新聞」として発行が開始され、この新聞は直営販売店制度を始め、日本初の新聞写真や女性ジャーナリストの採用を行うなど、多くの革新をもたらしました。また、箱根駅伝の創立も手がけたことから、新聞だけでなく、スポーツの発展にも寄与したと言えるでしょう。

歴史の始まり

「郵便報知新聞」は、明治5年7月15日に前島密などによって創刊されました。創刊当初、主筆には旧幕臣の栗本鋤雲が任命され、多くの民権運動家がその創作や編集に関与しました。特筆すべきは、1877年に発表された犬養毅による従軍ルポ「戦地直報」であり、これにより報知新聞は社会的信頼を高めました。

1881年には大隈重信との協力により会社が買収され、立憲改進党の機関紙となった一方、原敬がその方針に異を唱え退社しました。その後、この新聞は人気が徐々に低下し、1886年には三木善八が新たな方針を打ち立て、大衆向けに改革を進めました。

「東京五大新聞」の一部として

明治後期から大正期にかけて、報知新聞は「東京五大新聞」の一角を占める存在になり、1894年に名称を「報知新聞」と改称しました。この時期には、新聞業界において様々な革新が行われ、特に日本初の婦人記者である羽仁もと子が入社したことは大きな出来事です。

1901年には「二十世紀の豫言」という特集が行われ、様々な予測が立てられ、その中には科学技術に関する予測も含まれていました。1903年には村井弦斎の小説「食道楽」が取材連載され、日本におけるグルメ文化を広める発端となりました。また、日本初の新聞写真も掲載され、新聞の表現方法に新たな道を開きました。

新聞の変遷と戦後

1923年の関東大震災では、報知新聞の社屋は焼失を免れたものの、その後は他社の影響を受けて部数が減少しました。1930年には講談社に買収されるも、経営悪化により1941年に講談社が撤退し、三木武吉の元へ譲渡されましたが、1942年には讀賣新聞に統合されてしまいます。

「読売新聞」は「讀賣報知」という名前で再出発し、長年の伝統を持つ報知新聞は一時的にその姿を消しました。

戦後の再出発

1946年に報知新聞の名を冠する夕刊紙「新報知」が設立され、1948年には正式に「報知新聞」の名を取り戻しました。しかし、経営上の問題が続き、1949年には再び読売新聞の傘下となり、スポーツ専門紙として新たな出発を果たしました。報知新聞はすることなく、現在もその名を引き継ぐスポーツ報知として存在し続けています。

以上が、報知新聞の歴史とその影響についての概略です。新聞界の革新をもたらし、日本のメディア史に名を刻んだこの新聞の歩みは、時間の経過と共に変化しながらも、その精神を受け継いでいます。

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