並木伸一

並木伸一（なみき しんいち）氏は、1969年12月23日に神奈川県で生まれた日本の男性声優です。2020年12月22日に逝去されました。享年50歳。株式会社81プロデュースに所属し、アニメーション作品やゲーム、洋画・海外ドラマの吹き替え、テレビ番組のナレーションなど、声優として非常に幅広い分野で活躍を見せました。

個人的な側面として、料理やオートバイ、オーディオ＆ビジュアルといった趣味・特技を持っていました。

声優としてのキャリアは1990年代後半から始まり、多数の作品に出演しています。

テレビアニメでは、キャリアの初期にあたる1998年に『ああっ女神さまっ 小っちゃいって事は便利だねっ』で武装ネズミ役、『爆走兄弟レッツ&ゴー!! MAX』でテリー役などを務めました。その後も『ゾイド -ZOIDS-』(1999年 - 2000年)でジャッロ役、『はじめの一歩』(2000年)で松田役などを担当。子供向けアニメへの出演も多く、『とっとこハム太郎』(2000年)のサンタ役や、『サルゲッチュ 〜オンエアー〜』(2006年)でピポトロンGなど複数のピポサル役、そして『まめうしくん』(2007年 - 2008年)ではどんぐま役を務めました。人気シリーズ『名探偵コナン』には2004年から2010年にかけて複数回、異なる役柄でゲスト出演しています。他にも、『彼氏彼女の事情』『鋼鉄天使くるみ』『グラビテーション』『犬夜叉』『グラップラー刃牙』『レッチュ ゲッチュ サルゲッチュ』『明日のナージャ』『MAJOR 2nd season』『D.Gray-man』『ゴルゴ13』といった作品に脇役として参加し、作品世界を彩る存在として貢献しました。

OVA作品では、『アイドルプロジェクト』(1997年)や、『菜々子解体診書』(1999年)の私兵役、『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』(2000年)の恐竜兵士役などがあります。やなせたかし氏原作のメルヘン劇場シリーズにも複数参加し、多様なキャラクターを演じました。

劇場アニメでは、『劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を超えた遭遇』(2001年)でオドシシ役、『劇場版 サルゲッチュ 黄金のピポヘル・ウッキーバトル』(2002年)でカゲサル役を担当しました。

ゲーム分野でも活動しており、『serial experiments lain』(1998年)やPlayStation版『ガーディアンリコール 〜守護獣召喚〜』(1998年)の天龍役、『シェンムー』(1999年)の陳大人役といった初期の作品から参加しています。『ガチャメカスタジアム サルバト〜レ』(2004年)ではピポサル役、『F.E.A.R.』(2005年)ではノートン・メイプス役を演じました。

テレビ番組関連では、教育番組や子供向け番組への貢献が特筆されます。NHK高校講座「ベーシック国語」ではナレーションを担当。「おかあさんといっしょ」内のコーナー『ぼくのともだち』ではれいぞうこくんなどを演じ、「のりスタ!」、「ひとりでできるもん！」シリーズといった子供向け番組でもキャラクターの声を担当しました。

吹き替えでは、洋画『アリゲーター/愛と復讐のワニ人間』（プレウ役）、海外アニメ『ダグ』のウィリー役などを担当しました。特に、人気シリーズ『きかんしゃトーマス』では、テレビ東京版およびNHK版で機関車のハリー役とバート役（いずれも初代）を長く務め、関連劇場版でも同役を続投しています。人形劇『ユリーカのお城』ではボッグ役を担当しました。また、「日立 世界・ふしぎ発見！」など、情報・ドキュメンタリー番組でのボイスオーバーも務めました。

並木伸一氏は、2020年12月22日に50歳で逝去されました。51歳の誕生日を迎える前日のことであり、その突然の訃報は、多くの関係者やファンに深い悲しみをもたらしました。多岐にわたるジャンルでの活躍は、声優としての確かな実力と、様々な役柄に対応できる表現力の豊かさを示すものでした。

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