並木正男

並木正男の経歴と担当訴訟

並木正男（なみき まさお）は、1952年6月25日に神奈川県川崎市で生まれ、長い法律のキャリアを持つ元裁判官です。1971年に神奈川県立多摩高等学校を卒業後、1976年には一橋大学法学部を卒業し、司法修習生となりました。彼の裁判官としてのキャリアは1978年に浦和地方裁判所の判事補として始まり、その後も多岐にわたる役職を務めました。

彼は神戸地方・家庭裁判所姫路支部、横浜地方裁判所、釧路地方・家庭裁判所網走支部などで職務をこなし、1989年には大阪地方裁判所の判事に就任しました。その後も山口地方・家庭裁判所下関支部の支部長、大阪地方裁判所部総括判事、金沢地方裁判所所長、京都家庭裁判所所長、最終的には京都地方裁判所所長を経て2016年に再び大阪地方裁判所所長に就任し、2017年に定年退官しました。退官後も神戸簡易裁判所で判事を務めるなど、公共の法曹界に貢献しました。

担当事件

並木氏が裁判官として担当した重要な事件の一つに、下関通り魔殺人事件があります。この事件では、被告の精神鑑定結果が弁護側と検察側で対立しましたが、並木氏は検察側の主張を全面的に採用し、2002年に死刑判決を言い渡しました。このように、彼の判決は常に慎重に判断されたものでした。

また、大阪姉妹殺害事件でも彼は検察側の判断を支持し、2006年に死刑判決を出しました。判決後には、被告人に対して深い感情を持つようにと説諭を行ったことでも知られています。

著作

並木氏は裁判官としての経験をもとに、法に関する多くの著作も残しています。1999年には「アルゼンチン及び北米を巡って」という記事が発表され、法曹界における自身の視点を示しました。また、心神喪失者等医療観察法に関する審判手続きについての研究や、大阪地方裁判所での事件処理状況に関する論文など、専門的なテーマについても積極的に執筆しました。2013年には「強姦致傷罪」という著書も発表され、量刑実務に関する知見を提供しました。

まとめ

並木正男氏は、優れた法曹人として多くの著名な事件を取り仕切り、重要な判決を下してきました。彼の経歴と著作は、今後の法曹界においても貴重な資源として役立ち続けることでしょう。

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