中ザワヒデキ

中ザワヒデキ（1963年 - ）は、新潟県に生まれ、神奈川県で育った美術家です。本名は中澤英樹。幼少期から絵を描き始め、美術家としてのキャリアをスタートさせました。彼の活動は、大きく分けて5つの時期に分類することができます。

プレ期 (1963年 - 1982年)

小学生の頃から絵画制作を始め、数々の賞を受賞。高校時代には油絵に取り組んでいましたが、この時期の作品はほとんど現存していません。高校卒業までに4つの賞を受賞しました。

第一期 アクリル画 (1983年 - 1989年)

千葉大学医学部に入学後、松前公高と出会い、サークル活動を通じて美術活動を本格化。大学在学中は油絵に加え、アクリル絵具を用いた作品や、アクリルに鉛筆やクレヨンで描く独自のスタイルを確立しました。1983年には「中ザワヒデキ」名義を使用し始め、1986年には初の個展「初個展」を開催。1988年に大学を卒業後は、病院勤務と並行して美術家としての活動を続けました。1989年には、全編手書きの美術書『近代美術史テキスト』を出版しています。

第二期 バカCG (1990年 - 1996年)

1990年、中ザワはコンピューターグラフィックスに転身し、個展「大ボケツ」でCG作品を発表。同年、病院を辞職し、イラストレーターとして独立しました。2Dビットマップペイントソフトを用いた「へたうまCG」スタイルは、「バカCG」と評され、一世を風靡。1992年には、自身の活動拠点となる「有限会社アロアロインターナショナル」を設立。書籍、CD、ソフトウェアなどを制作・販売しました。1995年には、子供向けソフトウェア「キッズボックス」を株式会社アスクより発売し、多数の賞を受賞。この時期は、フロッピーディスクマガジンやレーベルの立ち上げなど、CGを中心とした活動を行いました。また、愛知県蒲郡市にある科学館には、中ザワが制作したインタラクティブな作品『不可視関数試論（カンタン・アブストラクト）』が恒久設置されています。1996年には、ビットマップ方式で3DCGを描くことができるソフトウェア「デジタルネンド」を開発。このソフトウェアは、美術活動として積極的に議論され、関連する特許も取得しています。特許を売却し証券化する行為を、中ザワは「芸術特許」というコンセプチュアルアートとして捉えています。

第三期 方法絵画 (1997年 - 2005年)

1997年、中ザワは美術家としての活動に専念し、作風を大きく転換。文字を画素として扱う「文字座標型絵画」シリーズや、「単一曲線」シリーズなど、独自の美術史観に基づいた作品を発表しました。この時期には、音楽作品の制作も行っており、作品は特定の規則に従って音を決めるという方法で制作。2000年には、詩人の松井茂、音楽家の足立智美と共に「方法主義宣言」を発表し、「方法主義者」を名乗りました。

第四期 本格絵画 (2006年 - 現在)

同人「方法」の解散後、再び色彩を重視した絵画制作を開始。以降も精力的に作品を発表し続けています。

中ザワヒデキの活動は、絵画、イラストレーション、CG、音楽、ソフトウェア開発など、非常に多岐にわたります。常に新しい表現を追求し、独自の視点から芸術の可能性を広げていると言えるでしょう。

関連人物

辛酸なめ子 - 1993年に中ザワの事務所でアルバイトをしていた。

外部リンク

中ザワヒデキ網上楼閣
中ザワヒデキ作品データベース
中ザワヒデキ (@nakazawahideki) - X（旧Twitter）
中ザワ ヒデキ (nakaZAWAHIDEKI) - Facebook
nakaZAWAHIDEKI - YouTubeチャンネル

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