中之作港

中之作港の概要

中之作港（なかのさくこう）は、福島県いわき市中之作に位置する地方港湾です。この港は、小名浜港の北東側にあり、江名港の南西側に隣接しています。

地理的特徴

この港の形状は、鶴が羽を広げた姿に似ているとされ、「鶴の間」との名前で親しまれています。中之作港の南には永崎海水浴場が広がっており、観光地としても利用されています。

歴史的背景

中之作港は、江戸時代から磐城平藩における年貢米の積出港として重要な役割を果たしていました。さらに、周辺で生産される塩の陸揚げが行われ、特に阿波国の伝統的な斎田塩が運ばれたことから、ここは「塩の道」の中継地としても機能していました。このように、江名港に比べて漁業に重きを置いていない交易港としての側面が強かったのです。

しかし、鉄道をはじめとする物流の発展に伴い、漁業活動が主となり、1948年7月には港湾法の改正で、当港は江名港の一部として地方港湾に指定されました。この背景により、漁業関係者たちの強い要望もあって、1962年には中之作港が独立した地方港湾として認められることとなります。

沿革

中之作港の発展は、以下の重要な出来事を経てきました。

• - 1930年～1931年: 江名町による防波堤建設と港湾内の浚渫が実施される。
• - 1932年～1935年: 農林省と福島県の補助を受け、防波堤の建設が続けられる。
• - 1940年～1946年: 農林省の支援を受け、物揚場の整備や岩礁除去が行われる。
• - 1948年7月: 江名港の一部として地方港湾に指定される。
• - 1962年7月4日: 中之作港として独立し、地方港湾に認定される。
• - 1962年8月7日: 港湾区域の告示がなされ、正式にその範囲が確定する。
• - 1965年前後: 冷蔵施設の整備が行われ、カツオやマグロの廻船誘致に力を入れる。
• - 1971年10月8日: 港湾区域の変更が告示され、さらなる利便性が追求される。
• - 2011年3月11日: 東日本大震災が発生し、港湾は津波の影響を受けました。

漁業の発展

中之作港では、大中型の巻き網漁が行われており、特にカツオやサンマが主要な漁獲物となっています。漁業活動は地域経済に大きな影響を与え、地元の人々の生活に欠かせないものとなっています。

周辺の交通

周辺には福島県道15号小名浜四倉線が通り、交通の便も良好です。また、永崎海水浴場が近くに位置しており、観光客も多く訪れます。

結論

中之作港は、その歴史と文化を持つ港湾として、漁業や貿易の重要な拠点であると同時に、周辺地域の魅力を高める存在でもあります。これからの発展に期待が寄せられています。

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