中井一郎

中井一郎（なかい いちろう）は、1907年4月6日に生まれ、1998年9月18日に没した日本の政治家です。彼は神奈川県小田原市長を4期にわたり務め、第17代全国市長会会長も歴任しました。

小田原市出身の中井は、旧制小田原中学を卒業後、政治の世界に入ります。足柄下郡片浦村会議員を経て、神奈川県会議員を連続6期務め、その間には県議会議長も務めるなど、地方政治において確固たる地位を築きました。県議時代は自由民主党に所属していました。

1969年、中井は小田原市長に初当選し、1985年まで4期16年間市長を務めました。市長在職中は、市民との対話を重視し「市長と話し合う会」を定期的に開催しました。また、市民サービスの向上を目指し、市役所の日曜開庁を実施するなど、当時としては革新的な政策を打ち出しました。

都市基盤の整備にも力を入れ、浄水場や清掃工場、給食センターなどの開設を実現しました。これにより、市民生活の質の向上に大きく貢献しました。小田原の歴史的資源の活用にも尽力し、小田原城跡の一部を開放して公園化するなど、観光資源としての魅力を高めました。また、「緑を豊かにする条例」を制定し、自然環境の保護にも取り組みました。

1983年からは全国市長会会長に就任し、全国の自治体間の連携強化に努めました。1985年に小田原市長を引退し、その生涯を終えました。中井一郎は、地方自治の発展に尽力した政治家として、その名が記憶されています。

参考文献

『新訂 現代政治家人名事典 : 中央・地方の政治家4000人』日外アソシエーツ、2005年。
歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第1巻、歴代知事編纂会、1983年。

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