中井伸之

中井伸之

佐賀県出身の元プロ野球選手、中井 伸之（なかい のぶゆき）氏は、1971年7月30日にこの世に生を受けました。投手としてプロの道を歩みましたが、そのキャリアは波瀾に富んだものでした。

高校時代の活躍

中井氏が野球でその才能を開花させたのは、地元の龍谷高等学校時代です。エースとしてチームを牽引し、3年次には春の選抜高等学校野球大会に出場する快挙を成し遂げました。この大会では、持ち前の粘り強いピッチングで2試合に連続で先発完投。チームを決勝をかけた準々決勝へと導く原動力となりました。準々決勝で対戦したのは、後にプロ野球界で活躍する河原隆一投手を擁する横浜商業高校でした。激戦の末、惜しくも敗れてしまいましたが、甲子園での投球は多くの野球ファンに印象を残しました。当時のチームメイトには、後に中井氏と共にプロ入りすることになる田代広之氏がおり、共に甲子園の土を踏みました。

プロ入りと日本でのキャリア

高校卒業後の1989年オフ、中井氏はドラフト会議を経てではなく、ドラフト外という形でパシフィック・リーグの福岡ダイエーホークスに入団し、プロ野球選手としての第一歩を踏み出しました。入団当初は選手登録され、背番号は92を着用しましたが、NPBの一軍公式戦での登板機会は残念ながらありませんでした。

プロ入りから数年が経過した1992年には、選手としての登録を離れ、打撃投手としてチームを支える立場へと転じました。この時の背番号は116に変更されています。翌1993年には、活躍の場をセントラル・リーグの阪神タイガースへと移籍しました。この時期の登録上の立場は不明瞭ですが、背番号は108を着用しました。しかし、阪神でもNPB一軍公式戦出場は叶いませんでした。

台湾球界での経験

1994年、中井氏は新たな挑戦の舞台を海外に求めました。台湾プロ野球リーグの三商タイガースに入団し、再び選手としてプレーすることになったのです。台湾では背番号25を背負い、マウンドに上がりました。このシーズン、中井氏は投手として6勝を記録し、海外で確かな実績を残しました。日本国内では叶わなかった公式戦での勝利を、台湾の地で手にしました。

日本球界への復帰とその後

台湾での1年間のプレーを終えて帰国した後、中井氏は再び日本のプロ野球界に戻りました。そして、かつて所属した阪神タイガースと再び契約を結びましたが、今度は選手としてではなく、打撃投手としてチームを支える立場となりました。打撃投手としては、打者の練習相手を務め、チームの強化に裏方として貢献しました。この時、背番号は再び108となりました。

NPBの一軍公式戦で投手として登板することは叶いませんでしたが、中井伸之氏は高校時代の甲子園での輝かしい活躍、福岡ダイエーホークス、阪神タイガースでの日本でのキャリア、台湾プロ野球での選手としての実績、そして長きにわたる打撃投手としての貢献と、様々な形で野球というスポーツ、特にプロ野球の世界に関わり続けました。彼のプロ野球人生は、一軍でのスポットライトこそ浴びませんでしたが、多くの経験と貢献に満ちたものでした。

背番号遍歴

92（1990年 - 1991年）：福岡ダイエーホークス（選手）
116（1992年）：福岡ダイエーホークス（打撃投手）
108（1993年）：阪神タイガース
25（1994年）：三商タイガース（選手）
108（1996年 - ）：阪神タイガース（打撃投手）

関連情報

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年度別投手成績（NPB一軍公式戦出場なし）

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