中合会津店

中合会津店の歴史

中合会津店（なかごうあいづてん）は、福島県会津若松市に存在した日本の百貨店で、1963年に「若松デパート」として開店しました。その後、2010年までの47年間、地元の人々に親しまれてきました。今回は、その歴史や閉店後の影響について詳しく探ってみましょう。

開業からの経緯

1963年7月、福島県内の財界が共同で出資し、地下1階・地上4階建ての店舗が建設され、「若松デパート」としてオープンしました。オープン当初は、松坂屋上野店が営業支援を行い、従業員には徹底した研修が施されました。特に会津初のエスカレーターの設置が注目を集め、地域の商業に新たな風を吹き込みました。

しかし、開業後は売上が伸び悩み、1964年には女性社員が他店舗へ出向くなどの厳しい状況もありました。1965年には松坂屋本体が直接経営管理に携わる事態にまで至りました。

中合との提携とリブランド

1968年には、福島市に本社を置く中合と提携し、商号を「会津中合」に変更しました。これにより、1971年には増床が行われ、面積が拡大しました。1992年には49.3億円という売上を記録し、会津地方を代表する商業施設の一角としての地位を確立しました。さらに、1993年に中合との合併により「中合会津店」と改名され、ダイエーグループに所属することになりました。

売上の減少と閉店

しかし、1994年から始まった福島県内の百貨店売上の長期的な下降トレンドは、中合会津店にも影響を及ぼしました。地元の大型店の進出や消費不況により、売上は減少の一途を辿りました。2008年には売上がわずか410億円に落ち込み、ピーク時の半分以下になりました。それでも黒字を維持していたものの、建物の老朽化や耐震基準の問題が顕在化し、2010年2月28日に閉店することが決定しました。これにより、若松デパートから数えて47年の歴史に幕を下ろしました。

閉店後の動き

閉店が発表された2009年、会津若松市は「中合会津店対策協議会」を設立し、閉店後の地域振興策を議論しました。その結果、街中テナントミックス事業が開始され、地域の商業復興に向けた動きが行われました。

また、2013年から2020年には、「中合サテライトショップ会津」が運営され続けましたが、やがて閉店となりました。閉店後の中合会津店の建物は一時放置されましたが、2013年に解体工事が行われ、現在はコインパーキングの「フレンドパーク会津若松神明通り」として再生されています。

まとめ

中合会津店は、単なる百貨店ではなく地域の歴史や文化を支えてきた存在でした。開業から閉店までの47年間、数々の困難を乗り越えながら地元に愛され続けたことは、地域の象徴として忘れられることはないでしょう。現在も、その影響を受けた地域商業の発展への期待があります。

もう一度検索