中国大使公用車襲撃事件

中国大使公用車襲撃事件

2012年8月27日、中華人民共和国の首都・北京市において、丹羽宇一郎駐中国日本大使が搭乗する公用車が襲撃されるという事件が発生しました。

事件の概要

事件は、午後4時過ぎ（日本時間午後5時過ぎ）、北京市内の環状道路で発生しました。大使の公用車が走行中、2台の車両によって進路を妨害され、停車を余儀なくされました。そのうち1台の車両から男が現れ、公用車に掲げられていた日本国旗を奪い去りました。

幸い、大使を含む乗員4人に怪我はありませんでした。

日本政府の対応

この事件に対し、日本政府は中国政府に対し強く抗議しました。8月28日夜には、野田佳彦首相の親書を携えた山口壮外務副大臣が北京に到着し、中国側の要人と個別に会談を行い、事件の再発防止と徹底的な捜査を求めました。

中国側の反応

中国側の唐家璇元国務委員は、8月29日に開かれた日中関係シンポジウムにおいて、「大変無礼な振る舞いをした」として謝罪しました。また、犯人を「愛国者ではなく、害国者だ」と非難しました。

中国国内の反応

しかし、中国国内のインターネット上では、この事件の犯人を英雄視する声が多数上がりました。ある調査では、85％がこの事件を喜ばしいと回答しています。この反応は、中国国内における反日感情の根深さを示唆するものとして、注目されました。

事件の背景と影響

この事件は、尖閣諸島（中国名：釣魚島）を巡る日中間の緊張が高まる中で発生しました。事件は両国関係に更なる影を落とし、外交問題に発展しました。また、中国国内のナショナリズムの高まりを浮き彫りにする出来事となりました。この事件は、日中関係の複雑さを象徴する出来事の一つとして、歴史に刻まれることとなりました。

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