中国船舶重工集団

中国船舶重工集団公司について

中国船舶重工集団公司（CSIC）は、かつて存在した中華人民共和国の国有持株会社で、主に造船および舶用機器の製造を行っていました。この企業は約80の傘下企業を有し、造船業界における重要なプレーヤーとされていました。本社は北京に所在し、傘下の企業は主に渤海沿岸、長江中流の武漢、長江上流の重慶周辺の3地域に分布しています。

組織構成と競合

中国船舶重工集団公司は、同じく国有の対抗者である中国船舶工業集団公司（CSSC）とともに、中国政府のさまざまな関連部門から管理を受けています。CSICとCSSCはそれぞれ造船事業に特化しており、CSSCがもつ造船施設の数に対して、CSICは研究・開発体制の面で優位性を持っていました。

この集団は、2019年に中国船舶工業と経営統合し、中国船舶集団として再編されました。この再編成は、造船業界の再構築と効率化を目指すものでした。

沿革

中国の造船業は、改革開放前には国務院の第一機械工業部のもとで管理されていました。その後、第六機械工業部に移管され、国営や公営の造船業者が、それぞれ独立して運営される形となっていました。主な業務は、軍や公的セクター向けに国内建造や修繕を行うことでしたが、統一管理がなかったため、各造船廠が孤立状態でした。

1982年の改革開放を契機に、これらの独立した造船廠を統一的に管理するために「中国船舶工業総公司」が設立されました。この会社は全国の造船事業を管轄し、各造船廠を統制する役割を果たしました。

しかし、1999年に資源の配分を効率化するため、競争原理が導入され、中国船舶工業総公司は中国船舶重工集団公司と中国船舶工業集団公司の2つに分割されました。以降、CSICは造船業務に特化した組織として成長していきました。

グループ企業

CSIC傘下には多くの企業および機関が存在しました。これには、中間持株会社、大連船舶投資控股有限公司、武漢船舶投資控股有限公司などがあり、造船業以外にも様々な事業を展開していました。また、上場子会社としては、中国船舶重工股份有限公司や風帆股份有限公司が含まれています。さらに、地区管理機構もあり、地域ごとに特化した造船業務を行っていました。

研究機関に関しては、歴史的に重要な研究所が多く設置され、技術開発に寄与しました。また、海外にもいくつかの事業会社を持ち、国際貿易と展開していた点も特徴的でした。

不正事件

しかし、CSICには不祥事もありました。2019年1月、同社の前社長が収賄や職権乱用の疑いで逮捕され、業務に大きな影響を及ぼしました。この問題は、CSICが建造していた航空母艦「遼寧」の軍事機密の漏洩に関連しているとされています。

このように、中国船舶重工集団公司は、成功と同時に課題も抱えた企業群であり、最後には統合されて一つの新たなグループとして再編されました。

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