中坊公平

中坊公平：正義を貫いた弁護士、「平成の鬼平」

中坊公平（1929年8月2日 - 2013年5月3日）は、日本の弁護士であり、元日弁連会長、21世紀臨調特別顧問を務めた人物です。彼は、森永ヒ素ミルク中毒事件や豊田商事事件といった社会的に大きな影響を与えた事件において、被害者救済のために弁護団長や破産管財人として尽力しました。その功績から、「平成の鬼平」と称されることもありました。

生い立ちと弁護士への道

中坊公平は京都府京都市で生まれ、裕福な家庭で育ちました。父親も弁護士であり、その影響もあって京都大学法学部を卒業後、司法試験に合格。新人弁護士時代は放蕩生活を送ることもありましたが、1970年には大阪[[弁護士会]]副会長に就任し、弁護士としてのキャリアを本格的にスタートさせました。

社会的事件への取り組み

1973年、森永ヒ素ミルク中毒事件の被害者弁護団長に就任。その後も、豊田商事事件の破産管財人として、被害者への配当を増やすなど、弱者の救済に尽力しました。1990年には日本弁護士連合会会長に就任し、1993年からは豊島産業廃棄物問題の解決にも取り組みました。

整理回収機構での活躍

1996年、住宅金融債権管理機構の社長に就任。1999年には整理回収機構の初代社長となり、不良債権の回収に辣腕を振るいました。ニュースステーションなどの報道番組にも出演し、難解な法律や金融問題をわかりやすく解説しました。

司法制度改革への貢献

1999年、司法制度改革審議会の委員に就任し、法科大学院や裁判員制度の導入に尽力しました。これらの改革は、日本の司法制度をより国民に身近なものにすることを目指したものであり、中坊公平の貢献は大きいと言えるでしょう。

晩年と死

2003年に弁護士登録を取り消した後、京都市内の旅館経営に携わるなど、晩年は穏やかな生活を送りました。2013年5月3日、心不全のため京都市内の病院で亡くなりました。

人物像

中坊公平は、弱い立場の人々を救済するために、常に正義を貫く姿勢が評価されました。その一方で、数字の計算が苦手であるなど、意外な一面も持ち合わせていました。また、家庭内の問題には疎いと自己分析しており、自身の生い立ちが影響していると語っています。

受賞歴と著書

豊島産廃不法投棄事件への取り組みで菊池寛賞や日韓国際環境賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。また、『裁かれるのは誰か』『中坊公平・私の事件簿』など、多くの著書を執筆し、自身の経験や考えを発信しました。

中坊公平は、その波瀾万丈な人生を通して、日本の社会に大きな足跡を残しました。彼の正義を貫く姿勢は、多くの人々に感銘を与え、記憶されることでしょう。

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