中外旅行社

株式会社中外旅行社の概要

株式会社中外旅行社（ちゅうがいりょこうしゃ）は、東京都台東区上野に拠点を置く旅行業者で、主に朝鮮民主主義人民共和国への渡航を専門としています。

会社の特性

この旅行会社は2つの重要な側面を有しています。一つは、在日朝鮮人を対象とした旅行手配業務。特に朝鮮籍や韓国籍を持つ人々の国外渡航や査証申請に関して、代理サービスを提供しています。一般の旅行業者同様に、他社が提供するパッケージツアー商品も扱っています。

もう一つの側面は、朝鮮民主主義人民共和国専門の旅行会社としての役割です。中外旅行社は日本において、最初に北朝鮮旅行を取り扱った会社であり、観光ツアーブランド「コリョツアー」として知られています。入国手続きにおいても「代表団名」としての役割を果たし、日本国内において、観光査証の申請を一手に引き受けている点が大きな特徴です。このため、他の旅行代理店で査証申請を行う際にも、中外旅行社の関与が必要となります。

旅行業務の発展

設立は1968年2月で、1987年には朝鮮民主主義人民共和国が一般外国人観光客を受け入れる方針を示したことに伴い、本格的に観光事業をスタートしました。1989年には日朝間のチャーター便の運航に関する航空協定が成立し、観光客の流れが活発化しました。1991年には日本国旅券の「朝鮮民主主義人民共和国を除く」条項が削除され、さらに多くの日本人が北朝鮮への旅行を希望するようになりました。

しかし、2006年の経済制裁が敷かれると、日本国籍者の渡航は可能であったものの、朝鮮総連幹部の日本再入国が禁止されたため、特定の業務が制限されることとなりました。この影響により、中外旅行社は募集型企画旅行を一時中止せざるを得ませんでしたが、手配旅行は続けて行いました。

社会的影響と課題

2012年には、経済制裁に関連して警視庁に強制捜索され、顧客データが押収されるという事態も発生しました。この件に関して、社の関係者は旅行会社に対する強制捜索が前例のないものであると批判し、業務妨害であると主張しました。

2014年には規制が緩和され、アントニオ猪木が主導したプロレスイベントへの観戦ツアーから募集型旅行が再開されました。このように中外旅行社は、政治や経済の影響を受けながらも、旅行業務を継続し続けています。

交通アクセス

上野に位置する中外旅行社へのアクセスは、JR上野駅や東京メトロ上野駅を利用することで便利です。観光やビジネスの拠点としても、多くの人が訪れる場所にあります。

まとめ

中外旅行社は、在日朝鮮人の国際旅行の重要な窓口であり、北朝鮮旅行のパイオニアとしても位置づけられています。難しい状況においても、旅行業務の継続に努め、朝鮮民主主義人民共和国への観光手配を行う貴重な存在です。

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