中央ライナー (高速バス)

中央ライナー：首都圏と岐阜・愛知を結ぶ高速バスの軌跡

この記事では、首都圏（東京駅・新宿駅・多摩地区）と岐阜県・愛知県の中央自動車道沿線を結ぶ高速乗合バス「中央ライナー」について、その歴史、路線、車両、チケット情報などを詳細に解説します。

現在の運行状況

現在、「中央ライナー」は大きく分けて名古屋方面と可児方面の2系統が運行されています。運行会社は、ジェイアールバス関東と東濃鉄道が共同で担っています。

名古屋方面

ジェイアールバス関東が運行する「中央ライナーなごや号」は、東京駅とバスタ新宿（新宿駅）から名古屋駅新幹線口へ向かう路線です。2024年2月29日をもって運行を終了しました。

可児方面

東濃鉄道が運行する「中央ライナー可児1・2号」（昼行便）と「ドリーム可児1・2号」（夜行便）は、東京駅から可児駅までを結んでいます。ジェイアールバス関東が東濃鉄道に運行を委託している便もあります。これらの路線では、中津川駅にも停車します。

停車停留所と運行形態

各系統の停車停留所は、奇数号が下り便（名古屋駅行・可児行）、偶数号が上り便（新宿駅行）となっています。中央自動車道沿線だけでなく、中央道から離れた停留所にも停車する便もあります。一部停留所は、上り便のみ乗車、下り便のみ降車といった制限があります。また、途中休憩は、運行会社や路線によって異なります。ジェイアールバス関東便は境川PA、小黒川PA、神坂PA、東濃鉄道便は談合坂SA、諏訪湖SA、神坂PAで休憩となります。

乗務員交代

ジェイアールバス関東便は小黒川PAで乗務員交代が行われますが、東濃鉄道便は原則として乗務員交代はありません。ただし、大幅な遅延が見込まれる場合は、2名体制となる場合があります。

廃止された系統

過去には、多治見・瀬戸方面への路線（中央ライナー101・102号）や、三河安城・岡崎を経由する路線（新宿ライナー三河・なごや号）も運行されていましたが、これらは既に廃止されています。これらの路線も中央自動車道沿線や東名高速道路沿線を走行していましたが、利用状況の変化や運行上の都合により廃止されました。

歴史

「中央ライナー」は2001年3月20日に新宿駅と名古屋駅間で運行を開始しました。その後、中津川駅への路線延伸、可児駅への路線開設など、路線網の拡大、運行会社変更、ダイヤ改正、停留所の増減、車両の変更など、様々な変化を遂げてきました。2002年にはJR東海バスによる酒気帯び運転事故も発生し、行政処分を受ける事態も経験しています。2021年には可児系統のリニューアルを行い、全便が中津川駅、可児駅に乗り入れるようになりました。また、女性優先予約席や1人で2席利用可能な「Wシート」といったサービスも導入されました。

使用車両

中央ライナーで使用される車両は、4列ワイドシートの快適な車両です。補助席はなく、センターアームレスト付きの幅広シート、楽座シートが設置されています。全車両にトイレが備え付けられており、一部車両にはACコンセントや空気清浄機も搭載されています。

乗車券

乗車券は、JRハイウェイバス窓口、東鉄観光中央支店、バス会社への電話予約、高速バスネットなどの予約サイトで購入できます。発売開始は乗車日の1ヶ月前の午前10時です。名古屋方面と可児方面の往復割引乗車券は設定されていません。過去にはJR駅の窓口でも発売されていましたが、2012年7月1日以降は販売を終了しています。

まとめ

中央ライナーは、長年に渡り首都圏と岐阜・愛知を結ぶ重要な交通手段として機能してきました。運行開始から現在に至るまで、路線の延伸や廃止、運行会社の変更、サービスの向上など、様々な変化を遂げながら、利用者のニーズに対応してきました。今後も、利用状況や社会情勢の変化に合わせて、さらなる進化を遂げていくことが期待されます。

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