中央化学

中央化学株式会社（ちゅうおうかがく）

中央化学株式会社は、プラスチック製の食品包装容器の製造と販売を主たる事業とする日本の企業です。1961年1月に設立され、食品容器という人々の生活に不可欠な製品を通じて社会に貢献しています。

沿革

同社の歴史は、創業者である渡辺浩二氏が1957年4月に東京都板橋区でプラスチック製ジュース壜の製造を開始したことに始まります。これが実質的な創業の歩みとなりました。そして1961年1月、埼玉県鴻巣市に中央化学株式会社として正式に設立されます。設立後まもなく、1962年11月には鴻巣市内で本社を移転。その後、事業拡大に伴う組織再編を経て、1982年1月には北本市に存在した中央化学株式会社との合併を行い、現在の本社所在地へと拠点を移しました。1991年1月には、北海道、東北、九州、北陸にあった地域名を冠した子会社を統合し、組織体制を一本化します。

順調に発展を遂げた同社は、1994年6月に株式を店頭登録（後のジャスダック）し、より開かれた企業経営を目指します。しかし、その後の株式構成に変化が生じ、2011年10月には株式公開買付け（TOB）の結果、三菱商事株式会社の連結子会社となりました。国際展開も進め、2012年7月には中国・上海市に中国国内のグループ会社を統括・支援する目的で環菱中央化学管理有限公司を設立しています。

経営体制にも変化があり、2013年3月に水野氏が新たな社長に就任し、宇川前社長は顧問に退きました。製品開発においては、食品の消費期限を延長する機能を持つ「ガスバリア容器」を2015年2月に市場に投入。また、環境意識の高まりに応える形で、2016年6月にはリサイクルPETシートを活用した製品ライン「CHUO A-PET GREEN」の製造・販売を開始しています。2018年4月には再び経営トップが交代し、近藤氏が社長に就任しました。

近年、同社の資本構成は大きく変動します。2022年12月に行われた株式公開買付けにより、センコーグループホールディングス株式会社が三菱商事の保有する全株式を取得し、中央化学の新たな親会社となりました。さらに、2023年2月にはセンコーグループホールディングスによる追加の株式公開買付けが実施され、持ち株比率が96.78%に達します。これに伴い、2023年3月には東京証券取引所スタンダード市場での上場が廃止され、株式売渡請求を通じてセンコーグループホールディングスの完全子会社となり、現在に至ります。

製品と環境への配慮

中央化学は、単なる容器メーカーにとどまらず、環境負荷低減に貢献する素材や製品の開発に注力しています。その代表例が、独自に開発した新素材「タルファー」です。これは、天然資源である無機鉱物「タルク」を主要成分とし、ポリオレフィン樹脂の含有量を50％未満に抑えた複合素材です。タルファーを使用することで、石油由来のプラスチック使用量を大幅に削減できるため、省資源・省エネルギーに繋がり、容器を製造し消費者が使用した後に廃棄するまでのライフサイクル全体での環境負荷を低減することが可能です。この「タルファー」は、低カロリー型（材料使用量を抑える）であり、環境負荷を「OFF」できる素材として同社の重要な取り組みの一つとなっています。先に述べたガスバリア容器やリサイクルPET製品と合わせ、機能性と環境配慮を両立させた製品開発を進めています。

事業所

同社は国内に生産・供給拠点を置いており、本社・鴻巣工場（埼玉県鴻巣市）を始め、北海道工場（北海道美唄市）、東北工場（福島県田村市）、鹿島工場（茨城県神栖市）、関東工場（埼玉県加須市）、騎西工場（埼玉県加須市）、山梨工場（山梨県南巨摩郡南部町）、岡山工場（岡山県美作市）、九州工場（大分県豊後大野市）と、日本各地に工場を展開しています。これにより、全国へ安定的に製品を供給できる体制を構築しています。

このように中央化学株式会社は、食品包装容器の専門メーカーとして、創業から現代に至るまで技術革新と環境対応を進めながら、人々の食生活を支え続けています。

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