中央寺 (札幌市)

中央寺（ちゅうおうじ）

中央寺は、北海道札幌市中央区南6条西2丁目に位置する曹洞宗の仏教寺院です。山号は實相山と称し、永平寺の直末にあたります。この寺院は1874年（明治7年）に創建されて以来、地域の信仰の中心として重要な役割を果たしてきました。

歴史的背景

て開基となったのは、總持寺東京出張所の僧侶・西有穆山です。彼は、1874年の8月に開教の命を受け、北海道に渡り、様々な地域を巡回しました。最終的には、開拓使の大判官であった松本十郎に説得し、南2条西9丁目に1620坪の敷地を提供されました。この地に翌年には小教院が設立され、ここから中央寺の歴史が始まりました。

1875年には中教院に昇格し、1879年には本堂が完成しました。1881年には宗務支局に改称され、1882年に「中央寺」として正式に寺号が認可されました。1892年には現在の南6条西2丁目の地に移転し、以来、曹洞宗の布教拠点としての役割を担ってきました。中央寺の歴代住職は、道内に多数の末寺を設立し、その数は現在では29ヵ所に達し、孫末寺を含めると道内でも屈指の規模を誇っています。

信仰の中心

中央寺の創建と発展の経緯から、特に檀信徒の信仰が重視されていることが伺えます。曹洞宗は一般的に坐禅修行を重んじる宗派ですが、長い間、中央寺では僧侶による本格的な坐禅が行われていなかったという問題も存在しました。しかし、1976年に住職に就任した宮崎奕保はこの現状を憂い、寺の規則を定め、僧侶に坐禅修行を義務付ける改革を実施しました。この取り組みは、1996年に正式に僧堂の認可がされるまで続き、現在では坐禅修行が盛んに行われるようになりました。

沿革

• - 1874年: 西有穆山による小教院設置。
• - 1875年: 中教院に昇格。
• - 1879年: 本堂が完成。
• - 1881年: 曹洞宗宗務支局に改称。
• - 1882年: 寺号「中央寺」が認可される。
• - 1892年: 現在の地に移転。
• - 1915年: 大正天皇即位記念として鐘楼堂を新築。
• - 1950年: 五十回忌及び高祖大師記念事業として位牌堂を新築。
• - 1996年: 専門僧堂の認可を受ける。

アクセス

中央寺へのアクセスは、札幌市営地下鉄東豊線の豊水すすきの駅向かい、または南北線のすすきの駅から徒歩約5分と便利です。周辺の交通機関も充実しており、多くの信者や見学者が訪れています。

参考文献

• - 札幌市史編集委員会編『札幌市史 文化社会編』、1958年
• - 『実相山中央寺門葉諸山寺誌聯芳録』實相山中央寺、2009年
• - 石川昌孝著『座禅をすれば善き人となる – 永平寺 宮崎奕保禅師 百八歳の生涯』講談社、2008年

中央寺は、その歴史と信仰の深さから、地域文化の重要な一部を形成しています。寺院内では坐禅を通じた精神修養が進められ、訪れる人々にとって安らぎの場となっています。

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