本堂

本堂（ほんどう）

概要

本堂とは、仏教寺院において本尊仏が安置される重要な建物です。この名称は、特に日本の寺院において、中心的な役割を果たす堂を指すことが多いです。本堂は古代から現代にかけて様々な変遷を辿りながらも、フィーチャーされる存在です。

歴史的背景

日本では、本尊を安置するための施設が重要視され、「本堂」や「金堂」といった名称が使われてきました。金堂は飛鳥時代から平安時代前半にかけて多くの古代寺院で用いられましたが、本堂の名称はその後の時代でも広く流通しています。特に、奈良時代に創建された寺院であっても、例えば新薬師寺や西大寺など現在「本堂」として呼ばれるものも存在します。

天台宗の寺院では、同様の建物を「根本中堂」または「中堂」と呼ぶことが一般的です。また、禅宗寺院では「仏殿」という名称が用いられることが多く、黄檗宗では「大雄宝殿」と呼ぶことが通例になっています。ただし、禅宗でも方丈形式の中心堂宇は「本堂」と称されることが多いです。

日本における寺院の伽藍構成は、初期の頃に大陸から伝わった影響を強く受けています。そこで、構造や名称において「金堂」や「仏殿」と「本堂」といった区分けがされることがありますが、時代の変化によってこの区分は一貫していないため、容易に定義できるものではありません。

本堂の例

寺院によっては「金堂」と「本堂」が別個に存在する場合もあります。室生寺（奈良県宇陀市）には平安時代前期からの「金堂」や、鎌倉時代末期に造営された灌頂堂が「本堂」と呼ばれる国宝があります。奈良時代に創建された當麻寺（奈良県葛城市）も、創建当初の本尊である弥勒菩薩を安置する「金堂」と、院政期に建設された曼荼羅堂を「本堂」として区別しています。

これらの事例に見られるように、初期には本尊を祀る建物を「金堂」と称し、時代が進むにつれてその信仰対象の主が変化し、それに伴って「本堂」としての呼称に取って代わられるプロセスが見受けられます。

関連事項

本堂に関する特有の伝承や情報も数多く存在し、中世から近世にかけての出羽地域において「本堂氏」という氏族が存在したことも記録されています。

参考文献

• - 藤原義一「本堂」日本歴史大辞典編纂委員会編集『日本歴史大辞典 8』河出書房新社、昭和54年（1979年）11月。
• - 藤田勝也・古賀秀策『日本建築史』昭和堂、平成11年（1999年）4月。ISBN 4-8122-9805-9

関連項目

• - 仏堂

このように、本堂は日本の寺院において極めて重要な役割を果たす建物であり、その名称や構造には多くの歴史的背景が隠されています。

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