中央戦線 (ソ連軍)

中央戦線の概要

中央戦線（ロシア語: Центральный фронт）は、第二次世界大戦中にソ連が展開した赤軍の方面軍です。この部隊は2回にわたり、1941年と1943年の間で設置され、ソ連中央部で主に活躍しました。

初回の中央戦線（1941年）

1941年7月24日、最初の中央戦線が誕生しました。当初は、ゴメリ、ボブルイスク、ヴォルコヴィスクを守るために編成され、西部戦線の第4軍の本部に基づきました。これに加えて、第13軍や第21軍、さらに第3軍（こちらは8月1日から参加）も参画しました。この部隊はスモレンスクの戦いに参加し、重要な戦闘を繰り広げました。しかし、1941年8月25日には部隊統制の統合のため、中央戦線は廃止され、残されていた部隊はブリャンスク戦線へと移管されました。

編制と指揮官

• - 第4軍: 1941年7月25日～8月25日
• - 第13軍: 1941年7月25日～8月25日
• - 第21軍: 1941年7月25日～8月25日
• - 第3軍: 1941年8月1日～8月25日

指揮官:

• - フョードル・クズネツォフ大将（1941年7月～8月）
• - ミハイル・エフレモフ中将（1941年8月）

軍事会議議員:

• - パンテレイモン・ポノマレンコ（1941年7月～8月）

参謀長:

• - L.サンダロフ大佐（1941年7月～8月）
• - G.ソコロフ中将（1941年8月）

二回目の中央戦線（1943年）

1943年2月15日、二度目の中央戦線が設置されました。これはクルスクの北西部に展開し、ブリャンスク戦線とヴォロネジ戦線の間の旧ドン戦線に基づいています。この時、主力となる部隊には第21軍、第65軍、第70軍、第2戦車軍、第16航空軍などが含まれ、さらに第3軍、第13軍などが追加されました。

この中央戦線の部隊は、1942年～1943年のオリョール・ブリャンスク方面での冬季攻勢に参加し、30～60km前進してセフスカへ進出しました。この動きでブリャンスク－コノトプ鉄道を遮断し、敵に対して有利な状況を作り出しました。

さらに、中央戦線の騎兵や狙撃兵グループは西方に100～120km進出し、3月10日にはノヴゴロド・セヴェルスキー北方のデスナ川に達しました。その後、3月21日からは防御態勢へと移行しました。

1943年のクルスクの戦いでは、ドイツ軍の北方からの侵入を阻止し、6日にわたる激闘の末、ドイツ軍は撤退を余儀なくされました。7月15日には攻勢の準備が整い、オリョール集団に対して攻撃を開始しました。これにより、ブリャンスク戦線及び西部戦線の部隊と連携し、敵のオリョール突出部を排除しました。

また、1943年夏と秋にはチェルニゴフ・プリピャーチ作戦を実施し、西方に300km前進しました。これにより、ドニエプル川やソジュ川に橋頭堡を確保し、ベラルーシと右岸ウクライナの解放に向けた条件を整えました。

1943年10月20日、最高司令部スタフカの命令により、中央戦線は白ロシア戦線に改称されました。

編制と指揮官（1943年）

• - 第21軍: 1943年2月15日～
• - 第65軍: 1943年2月15日～
• - 第70軍: 1943年2月15日～
• - 第2戦車軍: 1943年2月15日～
• - 第16航空軍: 1943年2月15日～

指揮官:

• - コンスタンチン・ロコソフスキー大将（1943年2月～10月）

軍事会議議員:

• - K.テレギン少将（1943年2月～10月）

参謀長:

• - ミハイル・マリーニン中将（1943年2月～10月）

参考文献

関連する項目には、ブリャンスク戦線や白ロシア戦線があります。また、ロシア国防省の公式ウェブサイト「60 лет Победе」は、戦勝60周年に関する情報を提供しています。

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