中央水産研究所

中央水産研究所

中央水産研究所（略称：中央水研）は、かつて水産研究・教育機構に属していた研究所の一つです。主な担当海域は千葉県以南の太平洋沿岸でしたが、それ以外にも日本の水産業全体に関わる共通課題に取り組んでいました。

概要

中央水産研究所は、日本の水産資源の持続的な利用と水産業の発展に貢献するため、幅広い研究活動を行っていました。資源評価、海洋環境、水産物の加工利用、生命情報、沿岸・内水面生態系など、多岐にわたる分野をカバーしていました。

研究組織

中央水産研究所は、以下の6つの研究センターで構成されていました。各センターは特定の分野に特化しつつも、全国的な課題に対応する役割を担っていました。

1. 経営経済研究センター: 水産業の経営や経済に関する研究
2. 資源研究センター: 水産資源の評価や管理に関する研究
3. 海洋・生態系研究センター: 海洋環境や生態系に関する研究
4. 水産物応用開発研究センター: 水産物の加工や利用に関する研究
5. 水産生命情報研究センター: 水産生物の遺伝情報に関する研究
6. 沿岸・内水面研究センター: 沿岸域や内水面の環境や生態系に関する研究

図書資料館

中央水産研究所には、一般利用も可能な図書資料館が併設されていました。貴重な文献や資料が収蔵されており、一部はデジタルアーカイブとしてインターネットで公開されていました。特に、近世以来の日本の漁業・漁村に関する古文書や筆写史料が豊富で、その数は合わせて25万点に及びます。

広報施設

栃木県日光市の日光庁舎には、「さかなと森の観察園」と「おさかな情報館」が併設されており、一般の人々が水産資源や環境について学べる場となっていました。

住所: 栃木県日光市中宮祠2482-3
電話: 0288-55-0160
開園期間: 3月20日～11月30日
開園時間: 9:00 - 17:00（11月は16:00まで）
入館料: 大人300円、小人100円（団体割引、シーズンパスポートあり）

沿革

中央水産研究所は、日本の水産研究の歴史とともに歩んできました。

1929年: 農林省水産講習所の試験部と調査部が分離独立し、農林省水産試験場として発足。
1949年: 水産庁東海区水産研究所として再編。
1989年: 中央水産研究所に改組。
2001年: 独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所となる。
2016年: 国立研究開発法人水産研究・教育機構に統合。
* 2020年: 水産技術研究所および水産資源研究所へと改組され、水産資源研究所の本所となる。

補足

中央水産研究所が所蔵していた図書資料の一部は、水産総合研究センター図書資料デジタルアーカイブとして公開されています。

まとめ

中央水産研究所は、日本の水産業の発展に大きく貢献した研究機関でした。その研究成果や資料は、現在も水産資源研究所に引き継がれ、活用されています。

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